- ADHD(注意欠陥・多動性障害)とは発達障害の一種で、不注意、多動性、衝動性によって、職場や学校、家庭における日常生活に支障をきたす疾患を言います。本来は子どもによく見られる障害なのですが、近年では大人にも少なからず見られるようになっています。
大人のADHD
- 大人のADHDと言っても、大人になって初めて症状が出現するわけではありません。
- 多くの人は自分なりの工夫や対策を考えて努力してきていますが、子どもの頃からずっと状況が改善しないまま、不注意・多動性・衝動性という3つの症状に悩まされてきている方が多いのが実情です。
- 大人のADHDでは、注意の持続が困難だったり、細部に注意がはらえないため、仕事や家庭(家事など)でのケアレスミスや物忘れが多くなったりします。また、約束の時間に遅れる、約束そのものを忘れる、締め切りに間に合わせられない、などの症状も見られます。加えて、子どもの時のような著しい多動性や衝動性は目立たなくなりますが、待たされた時などにイライラしてひどく落ち着かなかったり、人の話を最後まで聞くことができず、さえぎってまで一方的に話をしたりする態度などとなって現れたりします。
- ADHDの大人は、本人の人間性や知能などに問題は無いのに、社会適応性に乏しく、人間関係の形成が困難になったりして、本人も悩みがちです。そのため自尊心が低下し、うつ病や不安障害になるケースも少なくありません。
ADHDの主な症状
不注意(気が散ってしまう)
-
- 会議や仕事(授業や勉強)に集中できない
- 仕事(課題)でケアレスミスが多い
- 忘れ物、紛失が多い
- 約束の時間にいつも遅れる、約束を守れない
- 部屋が片付けられない
- など
多動性(じっとしていられない)
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- 会議中や仕事中(授業中や勉強中)に落ち着かず、そわそわする
- 貧乏ゆすりなど、体を動かす癖がやめられない
- 一度話し出すと、なかなか止められない
- 自分のことばかりを話してしまう
- おしゃべりに夢中になり、家事などの仕事を忘れてしまう
- など
衝動性(思いついたら唐突に行動に移してしまう)
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- 会議中(授業中)に不用意な発言をしてしまう
- 相談せずに、独断で重要なことを決めてしまう
- 衝動的に人を傷つけるようなことを言ってしまう
- よく衝動買いをしてしまう
- など
ADHDの原因
- ADHDの主な原因として挙げられるのが、脳の構造や機能に関する問題です。
- 自分の注意や行動をコントロールする脳の働きや、脳内の神経細胞の間で情報をやりとりする物質(脳内神経伝達物質)の働きに障害が起きているとする説が知られていますが、詳しい原因は、現在のところわかっていません。
ADHDの治療
- 当クリニックでは個人が持っている自然治癒力を最大限に引き出して病気の治療を行っております。
- 食事療法や生活指導に加え心理療法やリラクゼーションなどを併用することで向精神薬の使用を最小限に止めております。
- 薬物療法では、アトモキセチンとメチルフェニデートという薬が一般的に使用され、脳内神経伝達物質であるノルアドレナリンやドーパミンの不足を改善する作用があります。
- 正確な診断に基づいた薬物療法を行うと症状の改善にかなり期待できますが、心理的・身体的な問題など複合的な要因が絡むことで症状改善に難渋するケースもあり戦略的に治療を組み立てていく必要があります。
- 当クリニックは、ADHD診療の専門外来を設けております。上記各症状にお心当たりのある方は、ぜひ一度ご相談ください。
- ADHD外来
- 「自分はADHDではないか」とお悩みの方、 「ADHDと診断を受けたものの、その後どうすればいいかわからない」とお悩みの方、 どうぞ当院のADHD外来にご相談ください。
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