- 2026年6月14日
- 2026年6月1日
ブログ記事4:潰瘍性大腸炎の治療法:薬物療法から最先端治療まで、専門医の選択肢
潰瘍性大腸炎の治療は、大腸の炎症を抑え、症状をコントロールし、患者さんの生活の質を向上させることを目的とします。現在のところ、完治させる方法は確立されていませんが、適切な治療を継続することで、症状が落ち着いた「寛解期(かんかいき)」を長く維持することが可能です。治療法は、病気の活動性(症状の重さ)、炎症の範囲、これまでの治療歴などに応じて、専門医が最適な方法を選択します。
主な治療法としては、以下のようなものがあります。
- アミノサリチル酸製剤(5-ASA製剤): 炎症を抑える作用があり、軽症から中等症の潰瘍性大腸炎の第一選択薬として用いられます。内服薬だけでなく、坐剤や注腸剤もあります。
- ステロイド製剤: 炎症を強力に抑える作用があり、活動期の症状が比較的重い場合に用いられます。点滴や内服薬、坐剤などがありますが、副作用もあるため、症状が改善したら徐々に減量していきます。
- 免疫調節薬: 免疫システムの働きを調整し、炎症を抑える薬です。ステロイドの使用量を減らしたり、寛解期を維持するために用いられたりします。効果が出るまでに時間がかかることがあります。
- 生物学的製剤: 炎症を引き起こす特定の物質の働きを阻害する、比較的新しい治療薬です。中等症から重症の潰瘍性大腸炎で、他の治療で効果が不十分な場合に用いられます。点滴や自己注射で投与されます。
- JAK阻害薬: 炎症に関わる細胞内の信号伝達を阻害する、経口薬の新しい治療薬です。生物学的製剤と同様に、他の治療で効果不十分な場合に選択肢となります。
- 血球成分除去療法(GCAP/LCAP): 血液から炎症に関わる特定の細胞を取り除く治療法です。薬物療法で効果が得られない場合に選択されることがあります。
- 外科的治療(手術): 薬物療法で効果が得られない場合、重篤な合併症(大腸がん、大量出血、穿孔など)がある場合、あるいは難治性の場合に、大腸を全摘する手術が検討されます。
これらの治療法は、それぞれメリットとデメリット、そして副作用があります。当院では、心療内科の専門医として、患者さんの身体の状態だけでなく、治療に対する不安や心の状態にも寄り添いながら、消化器専門医と連携し、患者さんにとって最適な治療選択肢をご提案します。
