- 2026年8月12日
- 2026年7月15日
第4回:【台風と古傷の痛み】昔のケガや手術痕がチクチク痛む原因
「数年前に骨折した場所が、台風が近づくとズキズキ痛む」「昔手術した傷跡が、天気の悪い日にチクチクと不快に疼く」……。このように、過去のケガや古傷が天候によって呼び覚まされる現象も、気象病の一種です。
なぜすでに治ったはずの傷が痛むのでしょうか。その背景には、自律神経のバランスが崩れることで放出される「ヒスタミン」という化学物質が関係しています。気圧が下がって内耳が警戒アラームを鳴らすと、自律神経が興奮して血管を急激に収縮させ、同時にヒスタミンの分泌を増やします。このヒスタミンは痛みを過敏にする働きがあるため、昔ケガをした周囲の過敏な神経を刺激し、痛みを再発させてしまうのです。
当院での診断では、現在の痛む箇所だけでなく、昔のケガの経緯や、現在のストレスレベル、自律神経の緊張状態を多角的に診ていきます。治療では、収縮して硬くなった古傷周辺の血流を優しく改善し、ヒスタミンの働きを抑えるために自律神経をリラックスした状態へと導きます。お体が自力で組織の緊張を和らげる「自然治癒力」を促進させます。
予後としては、お天気による過剰なヒスタミン放出を自律神経ケアでコントロールできるようになれば、数ヶ月の間に「台風が来てもほとんど疼かなくなった」というレベルまで改善していくことが多いです。
日常で今日から出来るセルフケアは、昔ケガをした場所を「手で優しく包み込むように温める」ことです。手のぬくもりは皮ふの神経を安心させ、過剰な痛みの伝達を和らげる効果があります。
