• 2026年6月12日
  • 2026年6月1日

ブログ記事2:潰瘍性大腸炎の真実:なぜ免疫システムが腸を攻撃するのか?

「潰瘍性大腸炎って、どうしてなるの?」「一体何が原因で、腸が炎症を起こしてしまうんだろう?」潰瘍性大腸炎に悩む患者さんやそのご家族からよく聞かれる疑問です。潰瘍性大腸炎の根本的な原因はまだ完全には解明されていませんが、現在では、**免疫システムが自分の大腸の粘膜を誤って攻撃してしまう「自己免疫疾患」**の一つであると考えられています。

私たちの身体には、ウイルスや細菌などの異物から身を守るための「免疫システム」が備わっています。通常、免疫システムは異物を正確に認識し、排除する働きをします。しかし、潰瘍性大腸炎の患者さんでは、何らかの理由でこの免疫システムが暴走し、自分の大腸の粘膜を「異物」と認識して攻撃し始めてしまうのです。これにより、大腸に慢性的な炎症が起こり、ただれや潰瘍が形成されます。

なぜこのような免疫の誤作動が起こるのかについては、いくつかの要因が複雑に絡み合っていると考えられています。

  • 遺伝的要因: 家族に潰瘍性大腸炎の方がいる場合、発症リスクが若干高まることが知られています。特定の遺伝子が関与している可能性が指摘されています。
  • 腸内細菌叢の異常: 腸内には様々な細菌が共生していますが、そのバランスが崩れることで、免疫システムに異常な刺激を与えている可能性が研究されています。
  • 環境要因: 食生活(高脂肪食、加工食品など)、喫煙、ストレスなどが発症や悪化に関与している可能性も示唆されています。特に、先進国での発症率が高いことから、生活様式の変化が影響しているという見方もあります。
  • ウイルスや細菌感染: 特定の感染症が引き金となる可能性も示唆されていますが、直接的な原因とは断定されていません。

このように、潰瘍性大腸炎は、遺伝的な素因に、腸内環境や様々な環境要因が加わることで、免疫システムが暴走し、大腸に炎症を引き起こす病気であると考えられています。現在の医学では完全に治すことは難しいですが、適切な治療によって炎症を抑え、症状をコントロールし、寛解期を長く維持することが可能です。当院では、この複雑な病態を理解し、患者さんの心身に寄り添った治療を提供します。

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