- 2026年5月4日
- 2026年4月16日
記事9:甲状腺機能低下症と心の健康:うつ病・不安障害との関連と向き合い方
「身体のダルさだけでなく、どうしようもなく気分が落ち込んでしまう」「以前は楽しかったことに興味が持てない」「漠然とした不安感に襲われる」。甲状腺機能低下症の患者さんの中には、うつ病や不安障害といった精神的な不調を併発する方が少なくありません。これは、甲状腺ホルモンの不足が脳の機能や神経伝達物質のバランスに影響を与えるためと考えられています。甲状腺機能低下症による心のつらさは、単なる「気の持ちよう」ではなく、専門的なサポートが必要な場合があります。
甲状腺ホルモンは、脳の代謝やセロトニン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質の生成や働きに深く関わっています。ホルモンが不足すると、これらの物質のバランスが乱れ、抑うつ気分、意欲の低下、物忘れ、集中力の低下、思考力の鈍化、不安感、感情の不安定さ、不眠や過眠といった、うつ病や不安障害と共通する症状が現れます。身体のだるさや疲労感が続くことで、日常生活や社会生活への参加が困難になり、それがさらに精神的な負担を増大させる悪循環に陥ることもあります。
心療内科医である当院では、甲状腺機能低下症の患者さんの身体症状だけでなく、心の状態にも細やかに目を向け、両面からアプローチすることを重視しています。まず、詳細な問診と心理検査によって、患者さんの感情の起伏、思考パターン、睡眠の質、ストレスの状況などを総合的に評価し、うつ病や不安障害の兆候がないか慎重に診断します。必要に応じて、甲状腺の血液検査も行い、甲状腺機能と精神症状の関連性を確認します。
治療においては、甲状腺ホルモン補充療法と並行して、当院独自の「サトワタッチケア」が、心身のバランスを整え、心の安定にも大きく貢献します。サトワタッチケアは、自律神経を調整し、身体の緊張を解き放つことで、深いリラックス効果をもたらします。これにより、精神的なストレスが軽減され、不安や気分の落ち込みが和らぎ、前向きな気持ちを取り戻しやすくなります。必要に応じて、カウンセリングや**薬物療法(抗うつ薬や抗不安薬など)**も提案し、患者さんが安心して心身ともに回復できるよう、多角的にサポートいたします。甲状腺の治療を続けていても、心のつらさが続く方は、決して一人で抱え込まず、専門医にご相談ください。
