- 2025年6月15日
- 2025年6月6日
10. 学校に行けない、体調が悪い…不登校と心身症の深い関係
お子さんが「学校に行きたくない」「お腹が痛い」「頭が痛い」などの身体症状を訴えて学校を休みがちになり、検査しても身体的な異常が見つからない場合、それは「不登校」という状況の中で現れる心身症の可能性が考えられます。不登校は、様々な要因が絡み合って起こる複雑な問題であり、心理的ストレスが身体症状として現れることは珍しくありません。
不登校に伴う心身症の症状は多岐にわたります。最も多いのは腹痛や頭痛、吐き気、めまい、倦怠感などです。学校に行く時間になると症状が悪化し、学校を休むと症状が軽快することが多いのが特徴です。その他にも、不眠、食欲不振、微熱など、様々な身体症状が見られることがあります。これらの症状は、お子さんが学校に行けないことへの葛藤や、学校での人間関係、学業への不安、家庭内の問題など、心に抱えるストレスが身体に現れているサインです。
診断は、身体症状を詳しく問診し、身体的な検査で他の病気がないことを確認した上で、お子さんの心理状態や学校・家庭環境を総合的に評価して行われます。
治療は、身体症状への対症療法と並行して、不登校の根本原因となっているストレスにアプローチすることが不可欠です。お子さんが何に苦しんでいるのか、じっくりと話を聞き、その気持ちを受け止めてあげることが大切です。無理に学校に行かせようとせず、まずは安心できる居場所を家庭内で確保することから始めましょう。
学校との連携も重要です。担任の先生やスクールカウンセラーと相談し、お子さんの状況を共有し、協力体制を築くことが大切です。必要に応じて、専門機関(小児心療内科、児童精神科、カウンセリングルームなど)のサポートを求めることも有効です。心身のストレスを軽減し、自律神経を整え、深い癒しと休息を与えることは、身体症状の緩和だけでなく、お子さんが抱える心の負担を和らげ、自然治癒力を高め、自分らしく学校生活や社会生活を送るための大切な一歩となるでしょう。