- 2025年6月12日
- 2025年6月6日
7. 夜尿症(おねしょ)が続く…5歳以降も続く場合の心と体のサイン
「もう大きいのに、まだおねしょが続く…」と悩んでいませんか?5歳以降になっても週に数回以上夜尿が続く場合、「夜尿症」と診断されます。これは決して子どもの「怠け」ではなく、体の発達の未熟さや、生活習慣、そして心理的なストレスが複雑に絡み合って起こる、小児の心身症の一つでもあります。
夜尿症の原因は多岐にわたります。膀胱の発達が未熟で夜間の尿を貯めきれない、夜間の尿量が多い(抗利尿ホルモンの分泌が不十分)、睡眠が深いなどが身体的な要因として挙げられます。しかし、そこに心理的なストレスが加わることで、症状が悪化したり、長期化したりすることがあります。例えば、転校、兄弟の誕生、親の不和、新しい習い事など、お子さんが大きなストレスを感じる出来事があった後に夜尿が始まるケースも少なくありません。
診断は、問診で夜尿の頻度や量、生活習慣などを詳しく確認し、尿検査や超音波検査などで泌尿器系の病気がないことを確認した上で行われます。
治療は、夜間の水分制限や就寝前の排尿、規則正しい生活などの生活指導が基本となります。必要に応じて、夜間の尿量を減らす薬や、膀胱の働きを調節する薬が用いられることもあります。そして最も重要なのは、お子さんが夜尿によって心理的な負担を感じないよう、家族が温かくサポートすることです。叱ったりせず、「気にしなくていいよ」「いつか治るから大丈夫」と安心させてあげましょう。
心理的ストレスが原因である場合は、そのストレスを軽減するアプローチが有効です。お子さんが安心して過ごせる環境を整え、話を聞いてあげる時間を作ることが大切です。心身のストレスを軽減し、自律神経を整え、深い癒しと休息を与えることは、お子さんの自然治癒力を高め、夜尿症の改善だけでなく、心の安定を促すことにも繋がります。