• 2025年6月11日
  • 2025年6月6日

6. 検査で異常なしなのに…慢性的な「頭痛」と子どものストレス

お子さんが「頭が痛い」と頻繁に訴えるのに、病院で検査しても特に異常が見つからない場合、それは心身症としての「慢性的な頭痛」の可能性も考えられます。子どもが抱えるストレスが、頭痛という身体症状として現れることは珍しくありません。

このタイプの頭痛は、医学的な検査では脳に構造的な問題が見つからないにも関わらず、日常的に頭痛が続くことが特徴です。多くは「緊張型頭痛」のタイプで、頭が締め付けられるような痛みや、重い感じ、肩や首の凝りを伴うことがあります。ストレスや疲労、睡眠不足、姿勢の悪さなどが誘発因子となることが多いです。また、感情的な問題や、学校でのプレッシャー、家庭内の問題などが、頭痛という身体症状として現れることもあります。

診断は、頭痛の症状(いつ、どのように、どれくらいの頻度で起こるか)を詳しく問診し、神経学的診察や、必要に応じてMRIなどの画像検査を行い、脳の器質的な病気がないことを確認した上で行われます。

治療は、一時的に痛みを和らげるための鎮痛剤を使用することもありますが、重要なのは頭痛の背景にある心理的・社会的な要因にアプローチすることです。お子さんが抱えるストレスを特定し、それに対する対処法を一緒に考えていくことが大切です。規則正しい生活習慣、十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動は、心身の健康を保ち、頭痛の予防に繋がります。

保護者の方は、お子さんの「つらい」という訴えに耳を傾け、共感してあげることが大切です。無理に学校に行かせたり、運動をさせたりせず、お子さんがリラックスできる時間と環境を提供しましょう。心身のバランスを整え、自律神経をケアする時間は、頭痛の軽減だけでなく、お子さんの全体的な健康と心の安定に繋がり、自然治癒力を高める助けとなります。

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