- 2025年6月9日
- 2025年6月6日
4. 腹痛、下痢、便秘の繰り返し…子どもの「過敏性腸症候群(IBS)」
お子さんがお腹の痛みや下痢、便秘を繰り返し訴えるのに、病院で検査しても特に異常が見つからない場合、それは「過敏性腸症候群(IBS)」かもしれません。IBSは、精神的なストレスが大きく関与している心身症の一つで、小児期にも見られます。
IBSの主な症状は、腹痛がお腹の調子と連動して現れることです。具体的には、排便によって痛みが和らぐ、便の回数や形状が変わる、下痢と便秘を繰り返すなどがあります。学校に行く前や試験前など、ストレスを感じる場面で症状が悪化しやすい傾向があります。命に関わる病気ではありませんが、症状が続くと学校生活や友人関係に影響が出ることがあり、お子さんにとってはつらいものです。
診断は、症状の経過を詳しく問診し、血液検査や便検査、腹部超音波検査などで他の病気(感染症、炎症性腸疾患など)を除外して行われます。身体的な異常がないことが確認された上で、症状の特徴からIBSと診断されます。
治療は、症状を和らげるための薬物療法(整腸剤、便秘薬、下痢止めなど)を行うとともに、ストレスの原因を見つけ、それに対処することが非常に重要です。規則正しい生活リズム、十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動は、腸の働きを整える上で役立ちます。また、ストレスを感じやすい状況を避けたり、お子さんがリラックスできる時間を作る工夫も大切です。
保護者の方は、お子さんの「お腹が痛い」という訴えを頭ごなしに否定せず、つらい気持ちに寄り添ってあげることが重要です。心身のストレスを軽減し、自律神経を整え、深い癒しと休息を与えることは、お子さんの身体症状を和らげ、自然治癒力を高め、心と体の健やかな成長をサポートします。