- 2025年6月11日
- 2025年6月6日
6:自律神経失調症と間違いやすい病気~適切な診断の重要性~
「自律神経失調症と言われたけど、本当にそうなのか不安」「症状が改善しないし、もしかして他の病気ではないか?」。自律神経失調症の症状は非常に多様なため、他の様々な病気と似ており、自己判断や誤った診断に繋がってしまう可能性があります。適切な治療を受けるためには、何よりも正確な診断が不可欠です。
自律神経失調症と間違えられやすい病気は多岐にわたります。代表的なものとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 甲状腺機能異常(甲状腺機能亢進症・低下症): 動悸、倦怠感、発汗、体重変化、イライラ、抑うつなど、自律神経失調症と酷似する症状が見られます。
- 貧血: めまい、立ちくらみ、倦怠感などが共通しています。
- 低血圧症: めまい、立ちくらみ、倦怠感などが共通しています。
- 不整脈や心臓病: 動悸、息切れなどが共通しています。
- 更年期障害: ほてり、発汗、イライラ、不眠など、自律神経失調症と非常に似た症状が出ます。
- うつ病・不安障害・パニック障害: 精神症状が強く、身体症状を伴うことも多いため、鑑別が難しい場合があります。
- 起立性調節障害: 朝起きられない、立ちくらみ、めまいなど、特に若年層に多い自律神経の病気です。
- 慢性疲労症候群: 長期間続く強い倦怠感が共通しています。
これらの病気と症状が重複するため、自己判断せずに、必ず専門医の診察を受けることが不可欠です。当院では、心療内科の専門医として、患者さんの症状を詳細に問診し、身体診察に加え、必要に応じて血液検査、心電図検査、ホルモン検査などの精密検査を行い、他の疾患の可能性を慎重に鑑別します。
もし、精神的な症状が強く出ている場合には、心理検査やカウンセリングも行い、心と身体の両面からアプローチします。これらの検査結果を総合的に判断することで、患者さんが本当に自律神経失調症なのか、あるいは別の病気が隠れているのかを正確に見極めます。誤った診断のまま治療を進めても、症状はなかなか改善しません。当院では、一人ひとりの患者さんに合わせた適切な診断と、それに基づいたオーダーメイドの治療計画をご提案することで、患者さんが本来の元気を取り戻せるよう全力でサポートいたします。「もしかして」と感じたら、ためらわずに専門医にご相談ください。