• 2025年6月7日
  • 2025年6月5日

3:高血圧が引き起こす隠れた病気~脳卒中、心筋梗塞、腎臓病のリスク~

「血圧が高いって言われたけど、別に症状もないし、そんなに深刻な病気じゃないでしょう?」。もし、あなたがそう思っているなら、それは大きな間違いかもしれません。高血圧は、それ自体に自覚症状がほとんどないため軽視されがちですが、実は体内で静かに進行し、最終的には命に関わるような深刻な病気を招く「サイレントキラー」です。高血圧を放置することで、私たちの血管はダメージを受け続け、「動脈硬化」が進行し、以下のような重大な病気のリスクが飛躍的に高まります。

  • 脳卒中(脳梗塞・脳出血): 高い血圧が脳の細い血管に負担をかけ続け、血管が破れて出血したり(脳出血)、血栓が詰まって脳の一部が壊死したり(脳梗塞)します。突然の意識障害、麻痺、言語障害などを引き起こし、重い後遺症を残したり、命を落としたりする危険性があります。
  • 心筋梗塞・狭心症: 心臓に血液を送る冠動脈の動脈硬化が進むと、血管が狭くなり、血流が滞って胸痛発作を起こします(狭心症)。さらに血管が完全に詰まると、心臓の筋肉が壊死し、命に関わる心筋梗塞を引き起こします。
  • 腎臓病(腎硬化症・慢性腎臓病): 高血圧は、腎臓の細い血管にも負担をかけ、腎臓の機能を低下させます。腎臓の機能が低下すると、体内の老廃物が排出されなくなり、最終的には透析が必要となることもあります。
  • 大動脈瘤・大動脈解離: 全身に血液を送る大動脈に高い圧力がかかり続けることで、血管の壁が弱くなり膨らんだり(大動脈瘤)、血管の壁が裂けてしまう(大動脈解離)ことがあり、どちらも非常に危険な状態です。

これらの病気は、一度発症すると元の健康な状態に戻ることは困難な場合が多く、重い後遺症を残したり、死に至ることもあります。高血圧は、これらの病気の最大の危険因子の一つです。症状がないからと放置せず、健康診断で血圧が高いと指摘されたら、必ず専門医の診察を受け、適切な管理を開始することが、将来の深刻な病気を防ぐために何よりも大切です。当院では、高血圧のリスクを丁寧に説明し、患者さんの健康寿命を延ばすためのサポートをいたします。

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