- 2025年6月5日
- 2025年6月4日
てんかんってどんな病気?脳の電気信号と発作のメカニズムを解説
「てんかん」と診断されたとき、あるいは身近な人がてんかんになった時、「一体どんな病気なんだろう?」と疑問に思うのは当然のことです。てんかんは、脳の神経細胞が一時的に異常な電気活動を起こすことで、様々な発作を繰り返す脳の病気です。私たちの脳の中では、常に神経細胞が電気信号をやり取りし、体を動かしたり、考えたり、感じたりしています。この電気信号が、何らかの原因で乱れ、突発的に過剰な放電が起きるのがてんかん発作です。
例えるなら、オーケストラの指揮者が一時的にいなくなり、楽器がバラバラに音を出し始めるような状態でしょうか。この電気活動の異常が、脳のどの部分で起きるかによって、発作の現れ方は大きく異なります。
主な発作のタイプには、大きく分けて二つあります。
- 部分発作(焦点性発作): 脳の一部から異常な電気活動が始まるタイプです。意識が保たれている場合もあれば、意識が混濁したり途切れたりする場合もあります。例えば、手や足だけがぴくぴく動いたり、変な匂いがしたり、突然言葉が出なくなったりすることもあります。
- 全般発作: 脳全体に異常な電気活動が広がるタイプです。意識を失い、全身がけいれんする「強直間代発作(大発作)」が有名ですが、数秒間ボーッとするだけの「欠神発作」なども全般発作の一種です。
てんかんの原因は多岐にわたります。脳腫瘍や脳卒中、頭部外傷、脳炎などの病気が原因となることもあれば、遺伝的な要因が関係している場合もあります。しかし、残念ながら、約半数のてんかんは原因が特定できない「特発性てんかん」とされています。
当院の「サトワタッチケア」では、てんかんの根本にある脳の電気活動の異常に加え、脳の機能と密接に関わる自律神経のバランスにも注目しています。ストレスや不規則な生活が自律神経を乱し、発作の誘因となることも少なくありません。脳を健康に保ち、発作を抑制するためには、薬物療法だけでなく、心身全体を整えるアプローチが非常に重要だと考えています。てんかんを正しく理解し、適切なケアを続けることで、より安心して日常生活を送れるようにサポートします。