• 2025年6月2日

長引く倦怠感、集中力低下…もしかしてコロナ後遺症?その症状と特徴

新型コロナウイルス感染症は、多くの人が罹患し、やがて回復します。しかし、中には感染から数週間、あるいは数ヶ月経っても、原因不明の体調不良が続く方がいらっしゃいます。「熱も下がったのに、鉛のように体がだるい…」「頭がぼーっとして、仕事に集中できない…」。もしあなたがそのような症状に悩まされているなら、それは**コロナ感染後遺症(Long COVID/Post-COVID-19 Condition)**かもしれません。周囲に理解されにくいこの症状に、一人で苦しんでいませんか?

コロナ感染後遺症は、世界保健機関(WHO)によっても定義され、認知度が上がってきていますが、その症状は非常に多岐にわたり、個人差が大きいのが特徴です。


コロナ後遺症の主な症状と見過ごされがちなサイン

コロナ後遺症の症状は、一つだけではなく、いくつもの症状が複合的に現れることが少なくありません。また、症状の強さや種類が日によって変動することも特徴です。

主な症状には、以下のようなものがあります。

  • 倦怠感・疲労感: 最も多くの患者さんが訴える症状です。感染前の健康な状態には戻れないほどの、体が重だるい、鉛のような疲労感が続きます。少し動いただけでも激しく疲れてしまい、日常生活に大きな支障をきたします。
  • ブレインフォグ(認知機能の低下): 「頭に霧がかかったよう」と表現される、もやもやした感覚です。集中力の低下、物忘れ、思考力の低下、言葉が出てこない、情報処理能力の低下などが現れ、仕事や学習に影響が出ることが多々あります。
  • 呼吸器症状: 息切れ、呼吸苦(息が吸いにくい)、咳が続く、胸の圧迫感など。感染時の肺炎が治っても、呼吸器系の症状が長引くことがあります。
  • 味覚・嗅覚障害: 味や匂いが分からない、あるいは以前とは違う感じ方をする(異嗅症、異味症)といった症状が続くことがあります。
  • 睡眠障害: 寝付けない、眠りが浅い、夜中に目が覚めるなど、質の良い睡眠が取れないことで、疲労感がさらに悪化します。
  • 動悸・胸痛: 心臓に異常がないのに、心臓がドキドキする、胸が痛む、締め付けられるような感覚があるなどの症状です。
  • 頭痛・めまい: 慢性的な頭痛や、立ち上がった時にクラっとするめまい、浮遊感などが続くことがあります。
  • 関節痛・筋肉痛: 身体のあちこちの関節や筋肉に痛みが続くことがあります。
  • 精神症状: 不安感、抑うつ気分、イライラ、パニック発作など。身体的な不調が精神的な負担となり、さらに症状を悪化させる悪循環に陥ることがあります。

これらの症状は、感染から数週間経ってから現れることもあれば、一度改善した後に再燃することもあります。また、検査では異常が見つからないことが多いため、「気のせい」「精神的なもの」と片付けられ、患者さんが孤立感を深めてしまうことも少なくありません。

もしあなたが、コロナ感染後に上記のような症状が長く続いていると感じるなら、それは決して「気のせい」ではありません。一人で悩まず、専門知識を持つ医師に相談することが、回復への第一歩となります。当クリニックでは、あなたのつらい症状に真摯に耳を傾け、適切なサポートを提供させていただきます。

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