• 2025年5月26日

14. 「完全な健康」とは? 医師が目指す至福の境地

私たちは、一体どこまで健康になれるのでしょうか? 症状が消えればそれで「健康」と言えるのでしょうか? 私が目指す「完全な健康」とは、単に病気がない状態を超えた、心身ともに満たされた「至福の境地」です。

一般的に「健康」というと、病気がない状態や、特に不調を感じない状態を指すことが多いでしょう。しかし、私の考える「完全な健康」は、それだけではありません。それは、悩みが全くないだけでなく、心が穏やかで、同時にいつも何か新しいことをしようと意欲が溢れた状態を指します。体が最高のパフォーマンスを発揮し、心が幸福感で満たされている。そんな状態を「至福」と表現しています。

この「完全な健康」は、絵空事ではありません。一朝一夕で得られるものではありませんが、日々の努力と意識によって達成可能な定義です。ドーシャ(アーユルヴェーダにおける生命エネルギー)の乱れを整え、オージャス(生命エネルギー)を増やす生活を心がけることで、身体の調子が良くなるのと同時に心も解放されていきます。

すると、それまで経験したことがないような充足感や幸福感を覚えるようになります。空気が澄んで感じたり、日の光が柔らかく感じたり、街路樹が輝いて見えるようになるでしょう。すれ違う人が優しく感じられ、孤独感も消えていきます。自己肯定感が増すと同時に、これまでいかに他人から言われた言葉を鵜呑みにし、自分の本音に従ってこなかったかに気づくはずです。

薬を減らし、体を本来の状態に戻していく過程で、あなたはこうした「至福」の感覚を体験し始めるでしょう。そして、それまでの自分との違いに気が付き、自分に対する疑問が生じると同時に、「そもそも自分は何者か?」といった、より深い問いへと導かれるかもしれません。

「完全な健康」は、薬に頼らない生き方を選んだ人にだけ訪れる、最高のギフトなのです。

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