- 2025年5月19日
人生の最終段階における心の痛み:終末期患者が抱える心理的苦痛
人生の最終段階である終末期を迎えた患者さんは、身体的な苦痛に加え、死への不安、残される家族への心配、孤独感、そして生きる意味を見失うスピリチュアルペインなど、様々な心理的苦痛に直面します。「これからどうなるのだろう」「家族に迷惑をかけたくない」「なぜ私だけが」といった感情が交錯します。心理評価では、不安や抑うつ、絶望感だけでなく、希望や生きがいについても評価します。治療は、支持療法や、患者さんの価値観や信念に寄り添うスピリチュアルケアが中心となります。患者さんと家族ができることとして、率直な気持ちを話し合う、大切な時間を共有する、思い出を振り返るなどが挙げられます。