• 2026年7月13日
  • 2026年7月11日

記事3:糖尿病が引き起こす隠れた病気~三大合併症とその他の全身合併症のリスク~

「糖尿病って、血糖値が高いだけじゃないの?」「症状がないから大丈夫って思っていたら、急に合併症って言われた…」。糖尿病の最も恐ろしい点は、自覚症状がないまま進行し、気づかないうちに全身の血管や神経を蝕み、重篤な合併症を引き起こすことです。これらの合併症は、QOL(生活の質)を著しく低下させたり、命に関わったりする可能性があり、その影響は全身に及びます。

特に注意が必要なのが、糖尿病の「三大合併症」と呼ばれるものです。

  1. 糖尿病網膜症(目):
    • 目の奥にある網膜の血管が傷つき、視力低下を引き起こします。進行すると失明に至ることもあります。自覚症状がないまま進行するため、定期的な眼科受診が不可欠です。
  2. 糖尿病腎症(腎臓):
    • 腎臓の毛細血管が傷つき、腎臓の働きが悪くなります。初期には自覚症状がありませんが、進行するとむくみや貧血、倦怠感などが現れ、最終的には人工透析が必要となることがあります。
  3. 糖尿病神経障害(神経):
    • 手足のしびれ、感覚の鈍麻(やけどや怪我に気づきにくい)、足の潰瘍、立ちくらみ、便秘や下痢、発汗異常、ED(勃起不全)など、全身の様々な神経に障害が現れます。

これら三大合併症の他にも、高血糖が続くことで、以下のような全身の合併症のリスクが高まります。

  • 心筋梗塞、狭心症(心臓病): 動脈硬化が促進され、心臓の血管が詰まったり狭くなったりし、心臓発作のリスクが高まります。
  • 脳卒中(脳梗塞、脳出血): 脳の血管の動脈硬化が進み、脳梗塞や脳出血のリスクが高まります。
  • 足病変(足の潰瘍、壊疽): 神経障害による感覚鈍麻と血行不良により、足に傷ができやすく、感染を起こし、最悪の場合、切断に至ることもあります。
  • 歯周病: 免疫力の低下により、歯周病が悪化しやすくなります。
  • 認知症: 血管性認知症やアルツハイマー型認知症のリスクが高まると言われています。

これらの合併症は、一度発症すると元の健康な状態に戻ることは困難な場合が多く、重い後遺症を残したり、死に至ることもあります。糖尿病は、これらの病気の最大の危険因子の一つです。症状がないからと放置せず、健康診断で血糖値が高いと指摘されたら、必ず専門医の診察を受け、適切な管理を開始することが、将来の深刻な病気を防ぐために何よりも大切です。当院では、糖尿病のリスクを丁寧に説明し、患者さんの健康寿命を延ばすためのサポートをいたします。

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