- 2026年1月26日
- 2026年1月25日
2,なぜアトピー性皮膚炎になるの?原因と悪化のメカニズムを解明
「なぜ私だけこんなに肌が弱いんだろう」「どうしていつもカサカサして、かゆいんだろう」。アトピー性皮膚炎に悩むあなたは、その根本的な原因について深く考えたことがあるかもしれません。アトピーは、単なる肌荒れではなく、皮膚のバリア機能の異常とアレルギー体質が複雑に絡み合って発症し、さらに様々な要因で悪化する病気です。そのメカニズムを理解することが、適切なケアと治療への第一歩となります。
アトピー性皮膚炎の主な原因:二つの柱
アトピー性皮膚炎の発症には、主に二つの大きな要因が関わっています。
- 皮膚のバリア機能の異常: 私たちの皮膚の一番外側にある「角質層」は、外部からの刺激やアレルゲンの侵入を防ぎ、体内の水分が逃げるのを防ぐバリア機能を持っています。アトピー性皮膚炎の患者さんでは、このバリア機能が生まれつき弱いことが多く、特に「フィラグリン」という皮膚の潤いを保つタンパク質の遺伝子異常が関与していることが分かっています。
- 外部刺激の侵入: バリア機能が低下していると、ハウスダスト、ダニ、花粉、細菌、化学物質などの外部刺激やアレルゲンが皮膚の内部に容易に侵入してしまいます。
- 水分の蒸発: 皮膚の水分がどんどん蒸発し、乾燥が進みます。乾燥した皮膚はさらにバリア機能が低下し、かゆみも増すという悪循環に陥ります。
- アレルギー体質(アトピー素因): アトピー性皮膚炎の患者さんは、アレルギー反応を起こしやすい体質、つまり「アトピー素因」を持っていることが多いです。これは、特定の物質(アレルゲン)に対して、体の免疫システムが過剰に反応してしまう傾向を指します。
- IgE抗体の過剰産生: アレルギー反応に関わる「IgE抗体」が体内で過剰に作られやすく、これが皮膚の炎症や症状を悪化させる要因となります。
症状を悪化させるメカニズムと誘発因子
皮膚のバリア機能異常とアレルギー体質がアトピーの基盤にある一方で、日常生活の中の様々な要因が症状を悪化させます。
- アレルゲン:
- 吸入アレルゲン: ハウスダスト、ダニの死骸やフン、花粉、ペットの毛など。これらが皮膚に付着したり、吸い込んだりすることでアレルギー反応が起こり、かゆみや湿疹が悪化します。
- 食物アレルゲン: 乳幼児期は卵、牛乳、小麦などが関与することがありますが、成長とともに原因となる食物は変化します。成人では食物アレルギーがアトピーの直接的な原因となることは稀ですが、特定の食品が症状を悪化させるケースもあります。
- 汗・乾燥・摩擦:
- 汗: 汗は、皮膚に付着したアレルゲンや汚れと一緒に刺激となり、かゆみを誘発します。
- 乾燥: 乾燥した皮膚はバリア機能がさらに低下し、かゆみが増します。
- 摩擦: 衣類やタオルによる摩擦、掻きむしりなどが皮膚への刺激となり、炎症を悪化させます。
- ストレス: 精神的なストレスは、自律神経のバランスを乱し、かゆみを強く感じさせたり、免疫の働きに影響を与えたりして、症状を悪化させることが知られています。
- 黄色ブドウ球菌: アトピー性皮膚炎の皮膚には、黄色ブドウ球菌が過剰に増殖していることが多く、この菌が出す毒素が炎症を悪化させる要因となります。
このように、アトピー性皮膚炎は、生まれつきの体質に加えて、様々な環境因子が複雑に絡み合って発症・悪化する多因子性の疾患です。原因を理解し、適切なスキンケアと治療、そして悪化要因の除去に取り組むことで、症状をコントロールし、快適な生活を取り戻すことが可能です。
