- 2026年1月9日
- 2025年12月26日
4,喘息の最新治療法:症状に合わせた薬物療法と吸入薬
「喘息と診断されたけど、どんな治療をするの?」「薬の副作用が心配…」。そうお考えの方もいらっしゃるかもしれません。気管支喘息は、適切な治療を継続することで、発作を予防し、症状をコントロールできる病気です。現在の医療では、症状の重さや発作の頻度に合わせて、様々な薬物療法が用意されています。
治療の基本方針:長期管理と発作治療の二本柱
喘息治療の目的は、単に目の前の発作を抑えることだけではありません。気道の慢性的な炎症を抑え、気道の過敏性を改善することで、発作が起こりにくい状態を維持し、より良
い日常生活を送れるようにすることを目指します。そのため、治療は大きく分けて2つの柱から成り立っています。
- 長期管理薬(コントローラー): 毎日継続して使用し、気道の炎症を抑え、発作が起こるのを予防する薬です。喘息治療の根幹をなすものです。
- 発作治療薬(リリーバー): 発作が起きた時や、起こりそうな時に使用し、狭くなった気管支を速やかに広げて症状を和らげる薬です。
喘息治療の主な薬物療法
喘息の治療薬は、吸入薬が中心となります。直接気道に作用するため、少ない量で効果を発揮し、全身性の副作用を抑えることができます。
1. 長期管理薬(コントローラー)
- 吸入ステロイド薬:
- 現在、喘息治療の中心となる最も重要な薬です。
- 気道の慢性的な炎症を強力に抑え、気道の過敏性を改善することで、発作の頻度を減らし、重症化を防ぎます。
- 吸入薬なので、全身への影響は少なく、副作用の心配はほとんどありません。毎日、決められた量を忘れずに吸入することが重要です。
- 長時間作用性β2刺激薬:
- 気管支を広げる作用が長く続く薬です。吸入ステロイド薬と併用されることが多く、吸入ステロイド薬の効果を補強します。
- 吸入ステロイド薬と長時間作用性β2刺激薬が一つになった配合剤もあり、患者さんの利便性を高めています。
- ロイコトリエン受容体拮抗薬:
- 錠剤やドライシロップタイプの内服薬です。
- 気道の炎症や収縮に関わる「ロイコトリエン」という物質の働きを抑えます。
- 比較的軽症の喘息や、アレルギー性鼻炎を合併している方、小児喘息によく用いられます。
- テオフィリン製剤:
- 気管支拡張作用と抗炎症作用を持つ内服薬です。
- 他の薬でコントロールが難しい場合などに、追加で使用されることがあります。血液中の濃度を適切に保つ必要があり、定期的な血液検査が必要な場合があります。
- 生物学的製剤:
- 重症の喘息患者さんに対して、近年導入されている注射薬です。
- アレルギー反応や炎症に関わる特定の物質の働きをピンポイントで抑えることで、従来の治療では改善が難しかった症状をコントロールします。
- 重症度やアレルゲンの種類によって、様々な種類の製剤が使い分けられます。
2. 発作治療薬(リリーバー)
- 短時間作用性β2刺激薬:
- 発作が起きて息苦しい時に使用する吸入薬です。
- 吸入すると数分で気管支が広がり、症状を速やかに和らげます。
- あくまで対症療法であり、頻繁に使う必要がある場合は、喘息のコントロールが不十分であるサインです。速やかに主治医に相談しましょう。
専門医との連携と適切な吸入指導が不可欠
これらの治療薬は、患者さんの喘息の重症度、アレルゲン、合併症、ライフスタイルなどを総合的に考慮し、専門医が慎重に判断して選択します。自己判断で薬の種類や量を変更したり、中止したりすることは非常に危険です。
また、吸入薬は正しく吸入できていなければ、十分な効果が得られません。当クリニックでは、患者さん一人ひとりに合った吸入器の選択はもちろんのこと、正しい吸入方法の指導にも力を入れています。定期的な受診を通じて、吸入方法の確認や、症状に合わせた薬の調整を行うことが、喘息を良好にコントロールするために不可欠です。
当クリニックでは、患者さんの状態を丁寧に診察し、最新の知見に基づいた最適な治療法をご提案します。薬物療法に加え、日常生活でのアドバイスや、当院独自の「サトワタッチケア」も組み合わせることで、より良い喘息コントロールと生活の質の向上を目指します。諦めずに、一緒に喘息と向き合い、快適な日々を取り戻しましょう。
