- 2026年1月7日
- 2025年12月26日
2,喘息発作はなぜ起こる?アレルギーと炎症のメカニズム
「急に息苦しくなった」「咳が止まらなくて眠れない」――気管支喘息の症状、特に発作は、日常生活を大きく制限し、不安を感じさせるものです。なぜこのような発作が起こるのでしょうか?一言で「アレルギー」と言われますが、その背後には複雑な体のメカニズムが隠されています。
喘息の根本原因は「気道の慢性的な炎症」
気管支喘息の最も重要な原因は、気道の慢性的な炎症です。健康な人の気道はスムーズに空気を通しますが、喘息患者さんの気道は常に少し腫れていて、敏感な状態にあります。この炎症が、様々な刺激に対して気道が過敏に反応し、狭くなってしまう「気道過敏性(きどうかびんせい)」を引き起こします。
発作の引き金となる二つの要因:アレルゲンと非アレルゲン
この慢性的な炎症がある気道に、特定の刺激が加わることで、喘息発作は起こります。
1. アレルゲン(アレルギー性喘息)
アレルギー性喘息は、特定の物質(アレルゲン)に対して体の免疫システムが過剰に反応することで起こります。アレルゲンを吸い込むと、気道内でアレルギー反応が起こり、炎症が悪化して気道が狭くなります。
- ハウスダスト・ダニ: 最も一般的なアレルゲンで、布団やカーペット、ぬいぐるみなどに潜んでいます。
- 花粉: スギ、ヒノキ、イネ科、ブタクサなどの花粉が原因となることがあります。
- ペットのフケ・毛: 犬や猫などのフケや毛が原因となることがあります。
- カビ: 浴室や結露しやすい場所に発生するカビもアレルゲンになります。
- 食べ物: 特に小児喘息では、卵、牛乳、小麦などの食物アレルギーが関連していることもあります。
2. 非アレルゲン(非アレルギー性喘息)
アレルギーが原因ではない喘息もあり、これを非アレルギー性喘息と呼びます。気道の慢性炎症があるため、アレルゲン以外の刺激でも発作が誘発されます。
- ウイルス感染: 風邪やインフルエンザなどのウイルス感染は、気道の炎症をさらに悪化させ、喘息発作の大きな引き金となります。
- タバコの煙: 受動喫煙を含むタバコの煙は、気道を刺激し、炎症を悪化させます。
- 運動: 運動によって気道が乾燥・冷却されることで発作が起こることがあります(運動誘発喘息)。
- 冷たい空気・急激な温度変化: 寒い場所や季節の変わり目など、急な温度変化が気道を刺激することがあります。
- 大気汚染: 排気ガスやPM2.5などの大気汚染物質が気道を刺激します。
- ストレス: 精神的なストレスは、自律神経のバランスを乱し、気道の過敏性を高める可能性があります。
- 薬剤: 解熱鎮痛剤(アスピリンなど)の一部が喘息発作を誘発することがあります(アスピリン喘息)。
遺伝的素因との関連
喘息は、遺伝的な要素も関与していることが指摘されています。ご家族に喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患を持つ方がいる場合、発症リスクがやや高まる傾向があります。しかし、遺伝だけで発症するわけではなく、複数の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
このように、気管支喘息の発作は、気道の慢性的な炎症を背景に、様々なアレルゲンや非アレルゲンが引き金となって起こります。ご自身の発作の引き金となるものを知ることが、喘息をコントロールする上で非常に重要です。
当クリニックでは、患者さん一人ひとりの喘息の原因を丁寧に探り、最適な治療計画と日常生活での対策をご提案いたします。喘息でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
