- 2025年12月22日
- 2025年12月8日
5. もう悩まない!過敏性腸症候群(IBS)の最新治療法と薬物療法
「お腹の症状で、好きなものも食べられないし、外出も不安でたまらない…」。長年、過敏性腸症候群(IBS)のつらい症状に苦しみ、「どうせ治らない」と諦めていませんか?しかし、ご安心ください。IBSは、適切な診断と治療によって症状を大きく改善し、快適な毎日を取り戻すことが十分に可能です。特に、症状のタイプや重症度に応じた薬物療法は、つらい症状を迅速に和らげるために非常に有効な選択肢となります。
治療の目標:症状の緩和と生活の質の向上
過敏性腸症候群の治療の主な目標は、腹痛やお腹の不快感、便通異常といった症状の頻度や重症度を軽減し、それによって妨げられていた日常生活や睡眠の質(QOL)を取り戻すことです。治療は、薬物療法と生活習慣の改善(食事療法、ストレス管理など)を組み合わせて行われることが多く、患者さん一人ひとりの症状の程度や背景に合わせて個別化されます。
過敏性腸症候群の主な薬物療法
IBSの症状は、腸の運動機能異常や内臓知覚過敏、腸内環境の乱れ、脳腸相関の異常などが複雑に絡み合って起こるため、これらの問題に働きかける多様な薬剤が用いられます。
- 腸の運動機能や知覚に働きかける薬
- セロトニン5-HT3受容体拮抗薬(下痢型IBS向け):
- **イリボー®(ラモセトロン)**が代表的です。腸の動きを抑え、内臓の知覚過敏を改善することで、下痢や腹痛を和らげます。特に男性の下痢型IBSに有効とされています。
- 腸管分泌促進薬(便秘型IBS向け):
- **アミティーザ®(ルビプロストン)やリンゼス®(リナクロチド)**などがあります。腸液の分泌を促し、便を軟らかくして排便を助けます。便秘型のIBSによる腹痛や腹部不快感の改善にも効果が期待できます。
- グアニル酸シクラーゼCアゴニスト(便秘型IBS向け):
- アミティーザ®やリンゼス®と似た作用機序で、便通を改善し、腹痛を和らげます。
- セロトニン5-HT3受容体拮抗薬(下痢型IBS向け):
- 便通を整える薬
- 高分子重合体(ポリカルボフィルカルシウムなど):
- 下痢と便秘の両方に有効とされ、腸内の水分を調整して便の硬さを正常に近づけます。
- 緩下剤・止痢剤:
- 症状に合わせて、便を軟らかくする薬(酸化マグネシウムなど)や、下痢を抑える薬(ロペラミドなど)が用いられます。
- 高分子重合体(ポリカルボフィルカルシウムなど):
- 腸内環境を整える薬
- 整腸剤(プロバイオティクス):
- 善玉菌を補給し、腸内フローラのバランスを整えることで、症状の緩和を目指します。ビフィズス菌や乳酸菌などが含まれます。
- 整腸剤(プロバイオティクス):
- その他の薬
- 消化管運動改善薬: 腸の動きを調整し、腹痛や吐き気を和らげます。
- 漢方薬: 症状や体質に合わせて、ストレスによる胃腸症状を和らげるものなどが用いられます。
- 抗うつ薬(低用量): 脳腸相関の異常に作用し、痛みの感じ方を調整したり、自律神経を整えたりする目的で、ごく少量を用いることがあります。
薬物療法は、医師が患者さんの状態を詳しく診察し、IBSのタイプ(下痢型、便秘型、混合型など)や重症度、他の症状などを総合的に考慮して、最適な薬の種類や量を決定することが非常に重要です。自己判断で服用を中止したり、量を変更したりすると、症状が悪化する可能性があります。
当クリニックでは、患者さん一人ひとりの症状や生活背景に合わせ、最適な薬物療法をご提案し、つらい症状の軽減と快適な日常生活の回復をサポートいたします。ぜひ、お気軽にご相談ください。
