• 2025年12月21日
  • 2025年12月8日

4. 過敏性腸症候群(IBS)の正しい診断:専門医が行う検査とプロセス

「お腹の調子がずっと悪いのに、病院で検査しても『異常なし』と言われた…」。そんな経験から、どこを受診すればいいのか、どんな検査をするのか不安に感じている方もいるかもしれません。**過敏性腸症候群(IBS)**の診断は、目に見える異常がないゆえに、患者さんの症状を丁寧に聞き取ることが非常に重要になります。ここでは、専門医がどのようにIBSの診断を進めるのか、そのプロセスについて解説します。

IBS診断の第一歩は「丁寧な問診」

過敏性腸症候群の診断において、最も重要で欠かせないのが、医師による患者さんへの丁寧な問診です。特定の血液検査や画像診断だけでIBSと診断できるわけではありません。あなたの症状の出方、頻度、何によって悪化・改善するか、そして日常生活にどのような影響を与えているかを詳しくお聞きすることが、正確な診断への鍵となります。

具体的には、国際的な診断基準(ローマ基準IV)に基づき、以下の点を重点的に確認します。

  • 過去3ヶ月間に、週に1日以上、繰り返し腹痛があるか?
  • その腹痛が排便によって改善するか?
  • その腹痛が、排便の回数や便の形状(見た目)の変化と関連しているか?
  • 症状がどれくらいの期間続いているか?

これらの質問を通じて、あなたの「お腹の悩み」がIBSに合致しているかを見極めます。患者さん自身の言葉で、つらさや具体的な状況を伝えることが、診断の大きな助けとなります。

他の病気との鑑別(見分け方)が非常に重要

IBSの診断は、症状が似ている他の重篤な病気が隠れていないことを確認する「除外診断」が非常に重要です。例えば、以下のような病気はIBSと症状が似ていることがありますが、それぞれ適切な治療が必要です。

  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)
  • 大腸がんやポリープ
  • 感染性腸炎
  • 甲状腺機能亢進症・低下症
  • 子宮内膜症(女性の場合)
  • 乳糖不耐症やグルテン過敏症などの食物アレルギー・不耐症

そのため、医師は問診に加え、必要に応じて以下の検査を提案することがあります。

必要に応じて行われる検査

  • 血液検査: 炎症の有無、貧血の有無、甲状腺機能などを確認し、炎症性腸疾患など他の病気の可能性を除外します。
  • 便検査: 感染症の有無や、便潜血(目に見えない出血)の有無などを調べます。
  • 大腸カメラ(内視鏡検査): 腸の内部に炎症や潰瘍、ポリープ、がんなどの器質的な異常がないかを直接確認するために行われます。特に、症状の始まりが比較的高齢である場合や、血便、体重減少、発熱などの「警告症状」がある場合には、積極的に推奨されます。
  • 腹部エコー検査: 腸の動きや、他の臓器に異常がないかを確認します。

当クリニックでは、患者さんの「お腹の悩み」に真摯に耳を傾け、丁寧な問診と必要に応じた検査を通じて、過敏性腸症候群の正確な診断を行います。もし「もしかしたらIBSかも」と思ったら、一人で抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。適切な診断が、つらい症状からの解放への第一歩となります。

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