• 2025年12月12日
  • 2025年12月8日

5. もう諦めない!顎関節症の最新治療法と薬物療法

「顎が痛くて食事が楽しめない」「口が開かなくて会話もつらい…」。顎関節症は、日常生活に大きな影響を与えるつらい症状ですが、決して諦める必要はありません。近年、顎関節症の治療法は進化しており、患者さん一人ひとりの症状や原因に合わせた多様なアプローチが可能です。今回は、顎関節症の最新治療法薬物療法について詳しく解説します。

顎関節症治療の基本的な考え方

顎関節症の治療目標は、症状の緩和、顎関節の機能回復、そして再発予防です。治療は、薬物療法と非薬物療法(生活習慣の改善、スプリント療法など)を組み合わせて行われることが多く、症状の程度や原因に応じて個別化されます。

顎関節症の主な薬物療法

顎関節症の薬物療法は、主に痛みの軽減や炎症の抑制、筋肉の緊張緩和を目的として行われます。

  • 消炎鎮痛剤:
    • NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬): ロキソプロフェンやイブプロフェンなど、炎症を抑え、痛みを和らげるために使用されます。顎関節の炎症が原因で痛みが生じている場合に有効です。
  • 筋弛緩剤:
    • 顎の周囲の筋肉の緊張が原因で痛みや開口障害が生じている場合に、筋肉の過度な緊張を和らげるために処方されることがあります。これにより、顎関節にかかる負担を軽減します。
  • 抗不安薬・抗うつ薬:
    • 精神的なストレスが顎関節症の発症や悪化に大きく関与している場合や、慢性的な痛みによって気分が落ち込んでいる場合に、補助的に使用されることがあります。これらは、痛みの感じ方を調整したり、歯ぎしりや食いしばりの原因となるストレスや緊張を和らげたりする効果が期待できます。
  • 漢方薬:
    • 体質や症状に合わせて、筋肉の緊張を和らげる、血行を促進するなど、様々な漢方薬が使用されることもあります。副作用が少ないとされ、長期的な服用も検討されることがあります。

薬物療法の注意点

薬物療法は、つらい症状を迅速に和らげるために有効ですが、対症療法であることが多く、根本的な治療には生活習慣の改善や他の治療法との組み合わせが重要です。また、医師の指示に従って服用し、自己判断で中止したり、量を変更したりしないようにしましょう。副作用についても、事前に医師から説明を受け、気になる症状が現れた場合は速やかに相談してください。

薬物療法以外の最新治療法

薬物療法と並行して、以下のような治療法が検討されます。

  • スプリント療法(マウスピース): 夜間の歯ぎしりや食いしばりから顎関節や歯を守り、顎の筋肉の緊張を和らげるために、透明なマウスピースを装着します。
  • 理学療法: 顎のストレッチやマッサージ、温熱療法などを行い、顎関節の可動域を広げ、筋肉の緊張を和らげます。
  • 行動変容療法: 頬杖や片側噛み、TCH(歯列接触癖)などの顎に負担をかける癖を意識して改善していきます。
  • ボツリヌス療法: 難治性の顎関節症に対し、過度に緊張した咀嚼筋にボツリヌス毒素を注入し、筋肉の働きを一時的に弱めることで症状を緩和します。
  • 外科的治療: 保存療法で改善が見られない重度の関節内病変の場合に、ごく稀に検討されます。

当クリニックでは、患者さん一人ひとりの顎関節症の原因や症状の程度を詳しく診査・診断し、薬物療法だけでなく、様々な治療法を組み合わせた最適な治療計画をご提案いたします。つらい顎の症状を改善し、快適な毎日を取り戻すために、ぜひ一度ご相談ください。

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