- 2025年12月8日
1. 顎関節症とは?口を開けるのがつらい、その原因と症状
「口を開けるとアゴが痛い」「食事中にカクカク音がする」「大きく口が開けられない」――もし、あなたがこのような症状に悩まされているなら、それは顎関節症かもしれません。顎関節症は、顎の関節やその周囲の筋肉に問題が生じることで、さまざまな不快な症状を引き起こす病気です。日常生活に大きな影響を与えることも少なくありません。
顎関節症の主な症状
顎関節症の症状は多岐にわたりますが、主に以下の3つが代表的です。
- 顎の痛み: 口を開けたり閉じたりする時、食べ物を噛む時、あくびをする時などに、顎の関節の周りや耳の前、頬などに痛みを感じます。この痛みは、重症になると安静時にも現れることがあります。
- 口が開けにくい(開口障害): 顎の関節や筋肉に問題があるため、指2~3本分(35~40mm程度)しか口が開けられなくなることがあります。硬いものが噛みにくくなったり、あくびがしにくくなったりするなど、日常生活に不便を感じることが増えます。
- 顎を動かすと音がする(関節音): 口を開け閉めする際に、「カクカク」「シャリシャリ」「ミシミシ」といった音が聞こえることがあります。痛みがない場合もありますが、関節に何らかの負担がかかっているサインである可能性があります。
これらの他にも、頭痛、首や肩の痛み、耳鳴り、めまい、歯の痛み、目の疲れ、しびれなど、全身にわたる症状が現れることもあります。
顎関節症の主な原因
顎関節症の原因は一つではなく、複数の要因が絡み合って発症することがほとんどです。
- 噛み合わせの異常: 歯並びや噛み合わせが悪いと、顎関節に偏った力がかかり、負担が増大します。
- 歯ぎしり・食いしばり: 寝ている間の無意識の歯ぎしりや、日中のストレスによる食いしばり(クレンチング)は、顎の筋肉や関節に過度な負担をかけます。
- 精神的ストレス: ストレスは、無意識のうちに筋肉を緊張させ、歯ぎしりや食いしばりを引き起こす大きな要因となります。
- 外傷: 顎への強い衝撃(転倒、打撲など)が原因となることもあります。
- 生活習慣: 片側だけで噛む癖、頬杖、うつ伏せ寝、猫背など、顎に負担をかける日常的な癖も原因となりえます。
- TCH(歯列接触癖): 何もしていない時に上下の歯を接触させてしまう癖も、顎の筋肉に持続的な緊張を与え、顎関節症を引き起こすことがあります。
これらの原因が複雑に絡み合い、顎関節や周囲の筋肉に炎症や損傷を引き起こすことで、顎関節症の症状が現れるのです。
顎関節症は、放置すると症状が悪化したり、慢性化したりする可能性があります。もし、顎の不調に心当たりがあるなら、一人で悩まず、早期に専門医に相談することが大切です。当クリニックでは、患者さんの症状を詳しく伺い、適切な診断と治療で、つらい顎の痛みや不快感を改善し、快適な日常生活を取り戻すお手伝いをさせていただきます。
