• 2025年10月16日
  • 2025年10月5日

11、子供の過活動膀胱

日中頻尿の悩みと親ができること

「うちの子、まだおねしょが治らない…」「小学生なのに、学校で何度もトイレに行くって言われる」。お子様の「トイレの悩み」は、親御さんにとって大きな心配の種です。特に、夜尿症(おねしょ)や日中の頻尿、急な尿意は、小児の過活動膀胱である可能性があります。これは、成長とともに改善することが多いですが、適切な対応をしないと、お子様の自信喪失や生活の質に影響を及ぼすこともあります。ここでは、子供の過活動膀胱について、親ができることと注意点について解説します。


子供の過活動膀胱とは?特徴的な症状

子供の過活動膀胱は、大人の症状と似ていますが、年齢に応じた特徴があります。

  • 尿意切迫感: 急に強い尿意を感じ、「漏れてしまう!」と慌ててトイレに駆け込む。間に合わずにお漏らし(切迫性尿失禁)をしてしまうこともあります。
  • 頻尿: 日中にトイレに行く回数が非常に多い(8回以上が目安ですが、個人差があります)。遊びに夢中になっていても、急な尿意で中断せざるを得ないこともあります。
  • 夜間頻尿・夜尿症(おねしょ): 夜中に何度も尿意で起きる、あるいは眠っている間にお漏らしをしてしまう(夜尿症)。夜尿症は、5歳を過ぎても週に数回以上続く場合に診断されることがあります。
  • 姿勢の変化: 尿意を我慢しようとして、脚をクロスしたり、陰部を押さえたりするなどの独特の姿勢をとることがあります。

これらの症状は、お子様の膀胱が未熟であったり、神経系の発達段階であったりすることが原因となることがあります。


親ができること:具体的な対処法と心のケア

お子様の過活動膀胱の治療は、薬物療法と並行して、ご家庭でのサポートが非常に重要です。

  1. 「排尿日誌」をつける: お子様の排尿パターンを客観的に把握するために、2~3日間、排尿した時間と量、水分摂取量、お漏らしの有無などを記録しましょう。これは、医師の診断や治療計画を立てる上で非常に重要な情報となります。
  2. 膀胱訓練(我慢する練習): 少しずつ排尿間隔を延ばす練習をします。「あと5分だけ待ってみようか」と、お子さんと一緒に目標を設定し、達成できたら褒めてあげましょう。無理強いはせず、遊び感覚で取り入れるのが効果的です。
  3. 規則正しい排尿習慣: 朝起きたら、寝る前、外出前、食事の後など、時間を決めて定期的にトイレに行く習慣をつけましょう。たとえ尿意がなくても、試しに行ってみる「試し排尿」も有効です。
  4. 就寝前の水分制限と生活リズム: 夜尿症が気になる場合は、夕食後(寝る2~3時間前)からは水分摂取を控えましょう。カフェインを含む飲み物(コーラ、チョコレートなど)も控えめに。規則正しい生活リズムを保ち、十分な睡眠をとることも大切です。
  5. 便秘の解消: 便秘は、溜まった便が膀胱を圧迫し、症状を悪化させることがあります。食物繊維を多く含む食品を摂るなど、便秘対策も行いましょう。
  6. お子様の心のケア:
    • 叱らない: お漏らしや頻尿を叱ると、お子様の自信を失わせ、症状を悪化させる可能性があります。「大丈夫だよ」「気にしなくていいよ」と優しく接し、安心感を与えましょう。
    • 褒めて励ます: 症状が改善したり、我慢できた時は、たとえ小さなことでも褒めて励まし、お子様の頑張りを認めましょう。
    • 学校や園との連携: 担任の先生に事情を説明し、トイレに行きやすい環境を整えてもらうなど、理解と協力を求めましょう。

専門医との連携が不可欠

お子様の過活動膀胱は、成長とともに改善するケースが多いですが、その裏に別の疾患が隠れている可能性もあります。自己判断せずに、小児泌尿器科や泌尿器科、小児科などの専門医に相談することが大切です。

当クリニックでは、お子様のデリケートな排尿の悩みに真摯に耳を傾け、お子様とご家族が安心して治療に取り組めるよう、丁寧な診察と最適な治療計画をご提案します。お子様が笑顔で、自由に、安心して生活できる日々を取り戻せるよう、全力でサポートさせていただきます。

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