• 2025年10月10日
  • 2025年10月5日

6,過活動膀胱と上手につきあう!症状の改善に役立つ食事と栄養

「過活動膀胱の症状を和らげるために、食事でできることはあるの?」そうお考えの方もいらっしゃるかもしれません。毎日の食事は、私たちの体の状態に大きな影響を与えます。過活動膀胱の治療においては、薬物療法や行動療法が中心となりますが、特定の食べ物や飲み物が症状を悪化させたり、逆に改善に役立ったりすることがあります。ここでは、過活動膀胱と上手につきあうための食事と栄養のヒントをご紹介します。


膀胱を刺激しやすい食べ物・飲み物

以下の飲食物は、膀胱を刺激し、尿意切迫感や頻尿の症状を悪化させる可能性があるため、摂取を控えるか、量を調整してみることをお勧めします。

  • カフェインを含むもの: コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンク、ココア、チョコレートなど。カフェインには利尿作用があり、また膀胱を刺激して尿意を強める働きがあると考えられています。摂取量を減らすか、ノンカフェインのものに切り替えてみましょう。
  • アルコール: ビール、ワイン、日本酒、焼酎など。アルコールは強い利尿作用があり、また膀胱を直接刺激することもあります。過度な飲酒は避け、特に寝る前の飲酒は夜間頻尿の原因となるため控えましょう。
  • 刺激物: 唐辛子、香辛料を多く使った辛い食べ物、柑橘系の果物やジュース(特に酸味が強いもの)など。これらは膀胱の粘膜を刺激し、尿意を強めることがあります。
  • 炭酸飲料: 炭酸ガスが膀胱を刺激し、症状を悪化させることがあります。
  • 酸っぱいもの、甘いもの: 過剰な糖分や酸味も、一部の人にとっては膀胱刺激となることがあります。

膀胱に優しい食事のヒント

特定の栄養素を積極的に摂ることで、過活動膀胱が治るという明確な科学的根拠はまだ確立されていませんが、バランスの取れた食事は全身の健康を保ち、膀胱機能の安定にも寄与します。

  • 水分補給は適切に: 過活動膀胱だからといって、極端に水分摂取を控えるのは脱水症状のリスクを高め、かえって便秘など別の問題を引き起こすことがあります。一度に大量に飲むのではなく、こまめに少量ずつ水分を補給しましょう。特に喉が渇く前に飲む習慣をつけるのが理想的です。就寝前の2~3時間は水分摂取を控えることで、夜間頻尿の軽減に繋がります。
  • 便秘解消に役立つ食事: 便秘は、直腸に溜まった便が膀胱を圧迫し、尿意を強めることがあります。食物繊維が豊富な野菜、果物、きのこ類、海藻類などを積極的に摂り、規則正しい排便習慣を心がけましょう。発酵食品(ヨーグルト、納豆など)も腸内環境を整えるのに役立ちます。
  • バランスの取れた食事: 特定の食品に偏らず、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルをバランス良く摂取することが、全身の健康維持には不可欠です。健康な体は、膀胱の機能にも良い影響を与えます。
  • 適正体重の維持: 肥満は腹圧を高め、膀胱に負担をかけることがあります。バランスの取れた食事と適度な運動で適正体重を維持することは、過活動膀胱の症状改善にもつながります。

食事と膀胱症状の「関連性ノート」をつけてみよう

何がご自身の膀胱症状を悪化させるのかは、個人差が大きいです。ご自身が何を飲んだり食べたりしたときに症状が悪化するのか、あるいは改善するのかを把握するために、排尿日誌と合わせて食事内容の記録をつけてみることをお勧めします。これにより、ご自身の「トリガー食品」が見つかるかもしれません。

過活動膀胱の治療は、医師と相談しながら薬物療法や行動療法を行うことが基本ですが、日々の食事を見直すことは、ご自身で症状をコントロールし、より快適な生活を送るための大切な一歩となります。当クリニックでは、患者さん一人ひとりのライフスタイルに合わせたアドバイスも行っていますので、お気軽にご相談ください。

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