- 2025年9月16日
- 2025年10月22日
ブログ記事6:PMSとPMDDの違いとは?~心の不調がより深刻な場合の見分け方~
「生理前のイライラが尋常じゃない」「気分が落ち込んで何も手につかない」「このままでは人間関係が破綻してしまう…」。月経前症候群(PMS)の症状の中でも、特に精神的な症状が重く、日常生活に大きな支障をきたしている場合、「月経前不快気分障害(PMDD:Premenstrual Dysphoric Disorder)」の可能性があります。PMSとPMDDは症状が似ていますが、その重症度や精神症状の程度に違いがあり、適切な診断と治療が非常に重要になります。
PMSは、主に身体的な症状と軽度の精神的な症状を伴うものですが、PMDDは、精神症状がより深刻で、日常生活や社会生活、人間関係に著しい影響を与えるのが特徴です。PMDDの主な精神症状としては、以下のようなものが挙げられます。
- 著しい抑うつ気分、絶望感、自己評価の低下
- 強い不安感や緊張感、感情の不安定さ(急に悲しくなったり、怒りっぽくなったりする)
- 持続的な著しいイライラ感や怒り、対人関係の衝突
- 興味・関心の著しい低下
- 集中力の低下
- 易疲労感や著しい気力の減退
- 過食や特定の食物への渇望
- 不眠や過眠
- 圧倒されるような感覚、またはコントロールできない感覚
これらの症状が、生理が始まる1週間〜10日くらい前から現れ、生理が始まると数日で消失し、かつ、毎月繰り返される場合にPMDDと診断されることがあります。PMDDは、単なる気分的な問題ではなく、ホルモン変動に対する脳内の神経伝達物質の感受性が影響していると考えられています。
当院では、心療内科の専門医として、患者さんのPMS/PMDDの症状を詳細に問診し、症状のパターン、重症度、日常生活への影響などを丁寧に評価します。精神的な不調が強い場合には、心理検査なども用い、適切な診断を行います。
PMDDは、患者さん自身の努力だけで乗り越えるのが難しい場合も少なくありません。決して一人で抱え込まず、専門医のサポートを受けることが大切です。当院では、心の専門家として、PMS/PMDDの治療に精通しており、患者さんの心と身体の両面から最適な治療計画をご提案いたします。つらい生理前の不調に諦めず、ぜひご相談ください。
