• 2025年8月16日
  • 2025年8月8日

記事9:食道アカラシアと心の健康:ストレス、不安、うつ病との関連と向き合い方

「食べ物が詰まる恐怖で、食事が全く楽しめなくなった」「体重がどんどん減って、将来が不安で仕方ない」「この苦しみがいつまで続くのかと思うと、気分が沈んでしまう」。食道アカラシアは、身体的な苦痛だけでなく、患者さんの心にも深刻な影響を及ぼすことがあります。特に、食事という生命維持に不可欠な行為が困難になることで、ストレス、不安、そしてうつ病といった心の不調を併発するリスクが高まります。

食道アカラシアが心の健康に与える影響は多岐にわたります。

  • 強い不安と恐怖: 食べ物が詰まる、吐き戻す、誤嚥するかもしれないという「恐怖」は、常に患者さんにつきまといます。特に、食事のたびにこの不安を感じるため、精神的なストレスが蓄積されやすいです。
  • 社会的な孤立: 人前での食事が困難になることで、外食や会食を避けるようになり、友人や家族との交流が減り、孤立感を深めることがあります。
  • 自己肯定感の低下: 食べられないこと、体重が減ること、体力が落ちることなどが、自己肯定感を低下させ、自信を失う原因となることがあります。
  • 抑うつ気分: 食事の楽しみが奪われること、身体の不調が続くこと、将来への不安などから、気分の落ち込み、意欲の低下、不眠といったうつ病の症状が現れることがあります。
  • 不眠: 夜間の食べ物の逆流や咳、あるいは精神的な不安から、質の良い睡眠が取れなくなり、さらに心身のバランスを崩す悪循環に陥ることがあります。

心療内科医である当院では、食道アカラシアの患者さんの身体症状だけでなく、心の状態にも細やかに目を向け、両面からアプローチすることを重視しています。ストレスの状況、睡眠の質、気分の状態などを詳細に問診し、必要に応じて心理検査も行い、心のケアも提供します。

治療においては、食道アカラシアの外科的・内視鏡的治療と並行して、当院独自の「サトワタッチケア」が、心身のバランスを整え、心の安定にも大きく貢献します。サトワタッチケアは、自律神経を調整し、深いリラックス効果をもたらすことで、精神的なストレス軽減や不眠改善に繋がります。これにより、身体の症状の緩和だけでなく、心の健康も回復し、より充実した生活を送れるようサポートいたします。身体のつらさだけでなく、心のつらさも感じる方は、決して一人で抱え込まず、専門医にご相談ください。

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