• 2025年8月4日

1. トイレが近いのは「気のせい」じゃない?神経頻尿とは

「ついさっきトイレに行ったばかりなのに、また行きたくなった」「緊張すると、急にトイレが近くなる」「検査をしても何も異常がないのに、どうしてこんなにトイレが近いんだろう…」。もしあなたが、このような経験に悩まされているなら、それは「神経頻尿」かもしれません。

**「気のせい」ではありません。**神経頻尿は、心の状態が排尿のメカニズムに影響を及ぼし、日常生活に大きな不便をもたらす、れっきとした症状です。

神経頻尿(心因性頻尿)とは?

神経頻尿は、精神的なストレスや不安、緊張などが原因となって起こる頻尿のことです。「心因性頻尿」とも呼ばれます。

通常、膀胱にはある程度の尿が溜まると「尿意」を感じますが、神経頻尿の場合、膀胱に十分な尿が溜まっていなくても、脳が過剰に「尿意」を感じ取ってしまい、頻繁にトイレに行きたくなる症状が出ます。

器質性頻尿(膀胱炎など)との違い

頻尿の原因は様々ですが、大きく分けて「器質性」と「機能性(精神性)」に分けられます。

  • 器質性頻尿:
    • 膀胱や尿道の炎症(膀胱炎、尿道炎など)、尿路結石、膀胱の機能低下、糖尿病、前立腺肥大症など、身体に明確な病気や異常があるために起こる頻尿です。
    • これらの場合、尿検査や超音波検査などで異常が見つかることがほとんどです。
  • 神経頻尿(機能性頻尿、心因性頻尿):
    • 泌尿器科で検査をしても、膀胱や尿道に異常が見つからないにもかかわらず、頻繁にトイレに行きたくなるのが特徴です。
    • 精神的な要因(ストレス、不安、緊張など)が、膀胱の神経に影響を与え、膀胱が過敏に反応することで症状が現れます。

神経頻尿の主な症状

神経頻尿の主な症状は、以下の通りです。

  • 日中の頻回な排尿: 一日の排尿回数が8回以上(一般的には)と非常に多い。
  • 強い尿意・切迫感: 突然強い尿意を感じ、「今すぐトイレに行きたい」という衝動に駆られる。
  • 少量頻尿: 一回の排尿量が少ないのに、何度もトイレに行く。
  • 特定の状況下での悪化: 人前、試験中、通勤中、電車の中、旅行中など、緊張したり、不安を感じたりする状況で特に症状が悪化しやすい
  • 夜間頻尿は少ない傾向: 寝ている間は精神的な緊張が和らぐため、夜中に何度もトイレに起きる「夜間頻尿」は少ない傾向にあります。ただし、重症化すると夜間も症状が出る場合もあります。

神経頻尿は、検査で異常が見つからないために「気のせい」と我慢してしまいがちですが、放置すると生活の質を著しく低下させてしまいます。もし、これらの症状に心当たりがあり、日常生活に不便を感じているなら、どうぞ一人で抱え込まず、当院にご相談ください。あなたの「トイレが近い」苦しみに、私たちは真摯に寄り添います。

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