• 2025年7月27日
  • 2025年7月22日

7. 知っておきたい!ドライアイと間違えやすい目の病気

「目が乾くだけじゃなくて、なんかおかしい…」「もしかして、ドライアイじゃない別の病気?」目の乾燥感や不快感は、ドライアイの典型的な症状ですが、実は他の目の病気でも似たような症状が現れることがあります。自己判断で「ドライアイだろう」と決めつけてしまうと、本来の病気の発見が遅れてしまう可能性も。この記事では、ドライアイと間違えやすい目の病気とその特徴について解説し、早期に正しい診断を受けることの重要性をお伝えします。


ドライアイと症状が似ている目の病気

  1. アレルギー性結膜炎:
    • 症状: 目の痒み、充血、目ヤニ、異物感、涙目など。ドライアイと似ていますが、特に「痒み」が強いのが特徴です。
    • 原因: 花粉、ハウスダスト、ダニ、ペットの毛などのアレルゲンに対する体の過剰な免疫反応。
    • 鑑別点: 季節性や特定の環境下での症状の出現、目ヤニが透明で糸を引くことが多い、目の痒みが強い場合はアレルギー性結膜炎を疑います。
  2. 眼瞼炎(がんけんえん)/マイボーム腺機能不全(MGD):
    • 症状: まぶたの縁の炎症、目の痒み、異物感、充血、目ヤニ、涙目。特に朝起きた時の目ヤニが多い目がゴロゴロするといった症状が特徴的です。MGDはドライアイの主要な原因の一つでもありますが、独立した病態として認識されています。
    • 原因: マイボーム腺(涙の油層を分泌する腺)の詰まりや炎症、細菌感染など。
    • 鑑別点: まぶたの縁の赤みや腫れ、フケのようなもの(鱗屑)、マイボーム腺からの油分の分泌が悪い場合は、眼瞼炎やMGDの可能性が高いです。
  3. 角膜炎・角膜潰瘍:
    • 症状: 強い目の痛み、充血、視力低下、まぶしさ、異物感、涙目など。
    • 原因: 細菌、ウイルス、真菌などの感染、外傷、コンタクトレンズの不適切な使用など。
    • 鑑別点: ドライアイの症状が急激に悪化する、強い痛みがある、視力低下が顕著な場合は、角膜炎や角膜潰瘍の可能性があり、早急な治療が必要です。
  4. 結膜弛緩症(けつまくしかんしょう):
    • 症状: 目の異物感、ゴロゴロ感、涙目、目の充血、目ヤニなど。
    • 原因: 加齢などにより、目の表面の結膜がたるんで余分なシワができ、涙の排出路を妨げたり、炎症を起こしたりします。
    • 鑑別点: 下まぶたの縁に結膜のたるみが認められる場合に疑われます。特に、涙が目尻に溜まって流れる「涙目」が続く場合はこの病気の可能性があります。
  5. 緑内障:
    • 症状: 初期には自覚症状がほとんどありませんが、進行すると視野が狭くなったり、視力低下が起こったりします。一部の緑内障治療薬(点眼薬)がドライアイ症状を悪化させることもあります。
    • 原因: 視神経に障害が起こり、視野が徐々に欠けていく病気。多くの場合、眼圧の上昇が原因です。
    • 鑑別点: ドライアイの症状だけでは判断できませんが、定期的な眼科検診で眼圧測定や眼底検査を受けることが重要です。

症状だけで判断せず、専門医へ

上記のように、目の乾燥や不快感は、様々な目の病気で現れる可能性があります。自己判断で「ドライアイだろう」と済ませてしまうと、治療が必要な別の病気が見過ごされてしまうかもしれません。

  • 症状が続く、悪化する: 市販の目薬で一時的に和らいでも、症状が繰り返す、悪化する場合は専門医の診察を受けましょう。
  • いつもと違う症状: 目の痒みが異常に強い、強い痛みがある、急に視力低下を感じるなど、普段と違う症状が現れた場合は、すぐに眼科を受診してください。

正確な診断には、専門医による詳細な検査が必要です。当クリニックでは、患者さんの目の症状を丁寧に診察し、必要に応じて様々な検査を行い、適切な診断と治療を提供しています。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。

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