• 2025年7月24日
  • 2025年7月22日

記事3.アルツハイマー型認知症の診断はどこで?専門医受診のすすめ

「もしかして、うちの親も…」「自分も将来が心配」といった不安を感じた時、どこに相談すれば良いのか迷う方は少なくありません。アルツハイマー型認知症の診断は、専門的な知識と経験が必要です。気になる症状があれば、ためらわずに専門医療機関を受診することをお勧めします。早期診断は、適切な治療への第一歩であり、患者さんご本人とご家族の今後の生活を支える上で非常に重要です。

まず、日頃から健康相談をしているかかりつけ医に相談してみるのが良いでしょう。かかりつけ医は、患者さんの普段の様子を知っているため、変化に気づきやすい場合があります。そこで認知症の疑いがあれば、専門医療機関への紹介状を書いてもらえます。

専門医療機関としては、認知症疾患医療センター、精神科、神経内科、脳神経外科などが挙げられます。これらの医療機関では、認知症の専門知識を持つ医師が、詳細な検査を通じて正確な診断を行います。

具体的な診断方法としては、まず問診が重要です。患者さんご本人だけでなく、ご家族から普段の生活での変化や困りごとを詳しく聞き取ります。次に、記憶力や判断力などを評価する神経心理学的検査を行います。代表的なものには「長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)」や「MMSE(Mini-Mental State Examination)」などがあります。

さらに、脳の状態を視覚的に確認するための画像検査も欠かせません。MRI(磁気共鳴画像)やCT(コンピュータ断層撮影)で脳の萎縮の程度や、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫など、他の病気が原因で認知症のような症状が出ている可能性がないかを確認します。近年では、アミロイドβやタウ蛋白の蓄積を調べるPET検査や、脳血流を調べるSPECT検査も診断に役立ちます。場合によっては、脳脊髄液検査でこれらのタンパク質の有無を調べることもあります。

「診断されるのが怖い」「認めたくない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、正確な診断を受けることで、症状の進行を遅らせるための適切な治療を始めたり、介護保険サービスなど公的な支援を利用したりすることが可能になります。診断はあくまで出発点であり、その後の生活をより良くするための第一歩だと捉えてください。私たち専門医は、患者さんとご家族に寄り添い、共に病気と向き合うサポートをさせていただきます。

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