- 2025年7月17日
- 2025年7月10日
8:【ご家族の方へ】全般性不安障害(GAD)の患者さんを支えるためにできること
大切なご家族が全般性不安障害(GAD)と診断された時、どのように接すれば良いのか、何をすれば助けになるのか、戸惑うことは少なくないでしょう。GADは、患者さん自身だけでなく、ご家族にも大きな負担をかける病気です。しかし、ご家族の適切な理解とサポートは、患者さんの回復にとって非常に大きな力となります。
ご家族ができること
- 病気への理解を深める: GADは「気の持ちよう」や「怠け」ではありません。脳の機能的な問題や心理的要因が絡み合って生じる病気であることを理解しましょう。患者さんの過剰な心配は、本人もコントロールできない苦痛であると認識することが重要です。
- 共感的に耳を傾ける: 患者さんの不安な気持ちや心配事を否定せず、共感的に耳を傾けましょう。「そんなに心配しなくても大丈夫だよ」と安易に励ますよりも、「〇〇について心配しているんだね」「つらいね」といった言葉で、気持ちを受け止める姿勢が大切です。
- 「心配」を助長しない環境を作る: 患者さんの心配事に対して、過度に安心させようとしたり、逆に批判したりすることは避けましょう。心配事を一緒に解決しようとしすぎず、患者さん自身が解決策を見つける手助けをする姿勢が望ましいです。
- 適切な距離感を持つ: 不安が強い患者さんは、ご家族に依存的になることがあります。しかし、過度な依存は患者さんの自立を妨げる可能性も。患者さんの話を聞きつつも、ご家族自身の生活も大切にし、無理のない範囲でサポートしましょう。
- 自分自身のケアも大切に: ご家族自身も患者さんの不安に巻き込まれ、ストレスを抱えることがあります。無理せず、休息を取ったり、信頼できる人に相談したり、サポートグループに参加するなどして、ご自身の心身の健康も守りましょう。家族が健康であることが、患者さんを支える上での基盤となります。
- 専門家との連携: 医師やカウンセラーとの面談に同席したり、家族療法に参加したりして、治療チームと連携を図りましょう。専門家からのアドバイスを受けることで、より効果的なサポートができます。
当院では、患者さんだけでなく、ご家族へのサポートも重視しています。ご家族が安心して患者さんと向き合えるよう、情報提供やカウンセリングを行います。
また、サトワタッチケアは、患者さんの心身の深い緊張を和らげ、自己受容を促すだけでなく、ご家族にも癒しをもたらすことがあります。患者さんがリラックスし、心を開くことで、ご家族とのコミュニケーションも円滑になることが期待されます。
GADは一人で抱え込む病気ではありません。ご家族が共に学び、支え合うことで、患者さんの回復への確かな一歩を踏み出すことができます。