- 2025年7月12日
- 2025年7月10日
3:【心療内科医が解説】全般性不安障害(GAD)の診断はどのように行われる?
「この不安、もしかして全般性不安障害かも?」そう感じた時、どのようなステップで診断が進むのか不安に思う方もいらっしゃるでしょう。心療内科での全般性不安障害(GAD)の診断は、患者さんの訴えを丁寧に聞き、多角的な視点から慎重に行われます。
GADの診断には、精神疾患の診断基準であるDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)などが用いられます。主な診断プロセスは以下の通りです。
- 詳細な問診:
- いつからどのような不安や心配が続いているのか。
- 具体的に何に対して心配しているのか(仕事、健康、家族、金銭など、漠然としたものから具体的なものまで)。
- 心配は自分ではコントロールできるか。
- 身体症状(不眠、肩こり、頭痛、動悸、吐き気など)の有無とその程度。
- 日常生活への影響(仕事や学業、人間関係など)。
- 他の精神疾患や身体疾患の有無、服用中の薬など。
- 患者さんの性格傾向やストレス対処法なども詳しく伺います。
- 身体診察と一般検査:
- 身体症状が他の病気(甲状腺機能亢進症など)によるものではないかを確認するため、必要に応じて血液検査などの一般検査を行います。心療内科では、精神的な側面だけでなく、身体的な側面も総合的に評価します。
- 心理テストや評価尺度:
- 不安の程度やうつ症状の有無を客観的に評価するため、質問紙形式の心理テスト(GAD-7など)や評価尺度を用いることがあります。
これらの問診や検査結果を総合的に判断し、GADの診断を行います。診断は、患者さんが抱える悩みや不安を解消し、適切な治療へと進むための重要なステップです。GADと診断されることで、「自分の不安は気のせいではなかった」と安心し、治療への意欲が高まる方も多くいらっしゃいます。
当院では、心療内科として、診断過程での不安やストレスにも寄り添い、サポートいたします。身体的な側面と精神的な側面の両方からアプローチすることで、患者さん一人ひとりに最適な治療計画をご提案します。心身のバランスを整えるサトワタッチケアも、診断後の患者さんの精神的な安定と回復に貢献します。