• 2025年7月18日
  • 2025年7月10日

9. 気分変調症と食事:心と体を整える食べ方のヒント

「気分が落ち込んでいると、食欲がわかない…」「逆に、ストレスでつい食べ過ぎてしまう」。気分変調症の患者さんにとって、食事は大きな影響を与えることがあります。食事は単に栄養を摂るだけでなく、心の健康にも深く関わっています。適切な食事は、脳の機能をサポートし、自律神経のバランスを整え、心の回復力を高める助けとなります。

1. 脳の健康をサポートする栄養素を積極的に摂る 気分変調症では、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れていると考えられています。それらの材料となる栄養素を意識して摂りましょう。

  • トリプトファン: セロトニン(幸福感や心の安定に関わる神経伝達物質)の材料となる必須アミノ酸です。乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト)、大豆製品(豆腐、納豆)、卵、魚(マグロ、カツオ)、鶏肉、バナナ、ナッツ類などに豊富に含まれます。
  • ビタミンB群: 神経伝達物質の合成を助ける働きがあります。特に、ビタミンB6、B12、葉酸は重要です。豚肉、レバー、魚、乳製品、緑黄色野菜、豆類などに多く含まれます。
  • オメガ-3脂肪酸: 脳の機能や神経細胞の健康を保つために重要です。炎症を抑える働きもあり、心の状態を安定させるとも言われています。青魚(サバ、イワシ、サンマ)、アマニ油、えごま油などに豊富です。

2. 腸内環境を整える食事:脳と腸の繋がり「脳腸相関」 近年、「脳腸相関」として、腸内環境が脳の機能や心の健康に大きな影響を与えることが分かってきました。

  • 食物繊維: 腸内細菌の餌となり、善玉菌を増やします。野菜、果物、きのこ類、海藻類、豆類、玄米などに豊富です。
  • 発酵食品: 善玉菌を直接摂取できます。ヨーグルト、納豆、味噌、漬物、キムチなど。

3. 血糖値の急激な変動を避ける 血糖値が急激に上がったり下がったりすると、気分の不安定さやイライラに繋がることがあります。

  • 複合炭水化物を選ぶ: 白米より玄米や雑穀米、白いパンより全粒粉パンを選ぶなど、血糖値が緩やかに上昇する炭水化物を選びましょう。
  • 野菜から食べる: 食事の最初に野菜を食べることで、血糖値の急上昇を抑えることができます。
  • 間食は控える: 特に砂糖を多く含むお菓子や清涼飲料水は、血糖値の急激な変動を招きやすいので注意しましょう。

4. 控えたい食品

  • 加工食品・ジャンクフード: 栄養価が低く、添加物が多く含まれていることがあり、心身に負担をかける可能性があります。
  • 過剰なカフェイン: 睡眠の質を低下させ、不安感を増強させることがあります。
  • アルコール: 一時的な気分転換になるように感じても、脳の機能を抑制し、抑うつ気分を悪化させ、睡眠を妨げることがあります。
  • 過剰な糖分: 炎症を促進する可能性があり、気分を不安定にさせることがあります。

食事療法の注意点

  • バランスが最も重要: 特定の食品だけを摂るのではなく、様々な食品をバランス良く摂ることが大切です。
  • 無理はしない: 食欲がない時は無理せず、少量でも口にしやすいものを摂りましょう。
  • 専門家と相談: 食事に制限がある場合や、特定の症状がある場合は、医師や管理栄養士に相談しましょう。

サトワタッチケア:内側から心身の調和を整える 当院の「サトワタッチケア」は、食事療法と併せて、心身の根本的な回復をサポートします。

深いリラックス状態は、自律神経のバランスを整え、消化吸収機能を向上させる効果も期待できます。ストレスが軽減されることで、体内の炎症反応も穏やかになる可能性があり、食事からの栄養素がより効率的に利用されることにも繋がるでしょう。心身の調和が取れることで、身体本来の生命力が高まり、気分変調症の改善に良い影響を与えると考えられます。

毎日の食事を意識的に選択し、サトワタッチケアで心身のバランスを整えることで、気分変調症の慢性的な「心の曇り」を晴らし、より健やかで明るい日々へと繋げていきましょう。

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