• 2025年7月11日
  • 2025年7月10日

2. 「いつもの自分」と諦めないで:気分変調症の原因と心の状態

「この気分が沈んだ状態は、私の性格なんだ」「ずっと前からこうだから、治らない」。気分変調症でお悩みの方から、このような諦めの声を聞くことがあります。しかし、慢性的に気分が沈む状態は、決して「性格」のせいではありません。心のエネルギーが低下し、自律神経のバランスが乱れているサインであり、適切なケアで改善できる心の状態です。

気分変調症はなぜ起こるのか? 気分変調症の原因は一つではなく、様々な要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。

  1. 生物学的要因:
    • 脳内の神経伝達物質の不均衡: うつ病と同様に、セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンといった脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることが関与していると考えられています。これらの物質は、気分や意欲、睡眠などを調整する重要な役割を担っています。
    • 遺伝的要因: 気分変調症になりやすい体質が、遺伝的に受け継がれる可能性も指摘されています。ただし、遺伝だけで発症するわけではありません。
  2. 心理的・社会的要因:
    • 慢性的なストレス: 人間関係の悩み、職場や学校での継続的なプレッシャー、経済的な問題、介護など、長期間にわたるストレスが心身に大きな負担をかけ、心のエネルギーを消耗させます。
    • 幼少期の経験: 幼い頃のネグレクト、虐待、親との安定した関係が築けなかった経験などが、自己肯定感の低さやネガティブな思考パターンを形成し、気分変調症の発症リスクを高める可能性があります。
    • 性格特性: 完璧主義、真面目すぎる、人からの評価を気にしすぎる、物事を悲観的に捉えがち、感情を表に出すのが苦手といった性格傾向を持つ人は、ストレスをため込みやすく、発症しやすい傾向があると言われています。
    • 孤立感: 周囲に悩みを打ち明けられる人がいない、理解者がいないと感じる孤立感も、気分変調症を悪化させる要因となります。
  3. 自律神経の乱れと生命力の低下: 当院では、気分変調症の根底に、自律神経の長期的な乱れと、それに伴う**「生命力」の低下**が深く関わっていると考えています。
    • 自律神経の乱れ: 慢性的なストレスが続くと、心身を緊張させる「交感神経」が優位になり続け、リラックスや回復を促す「副交感神経」の働きが低下します。これにより、心身は常にONの状態になり、十分な休息や回復ができない悪循環に陥ります。
    • 生命力の低下: 自律神経のバランスが崩れ、心身が慢性的な疲労状態に陥ると、私たちは本来持っている「生きる意欲」「活動するエネルギー」「困難を乗り越える力」といった「生命力」を失っていきます。この生命力の低下が、「何もできない」「どうせ無理だ」という無気力感や絶望感を生み出し、気分変調症特有の慢性的な抑うつ状態へと繋がっていくのです。

「性格だから」と諦めずに、専門家へ 気分変調症は、単なる「性格」や「怠け」ではありません。あなたの心が、根本的な休息と回復、そして生命力の回復を求めているサインです。

もし、この慢性的な心の曇りから抜け出したいと願うのであれば、心療内科や精神科の専門医にご相談ください。当院では、薬物療法に加え、サトワタッチケアを通じて自律神経のバランスを整え、生命力を回復させることで、多くの患者さんが気分変調症を乗り越え、自分らしい輝きを取り戻されています。

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