- 2025年7月7日
- 2025年7月3日
5. 「治したい」を叶える!身体表現性障害の診断と治療の選択肢
「この体の不調、どうにかしたい」「どこに相談すればいいのか分からないし、もう疲れた…」。身体表現性障害(現:身体症状症)に悩む多くの方が、そう願いながらも、原因不明の症状に翻弄され、治療への一歩を踏み出せずにいます。特に、多くの医療機関を巡っても「異常なし」と言われ続ける経験は、患者さんの精神的負担を大きくします。しかし、身体表現性障害は、適切な診断と治療を受けることで、症状の改善が十分に期待できる疾患です。あなたは一人ではありません。安心して頼れる場所は必ずあります。
どこで相談できる?身体表現性障害(身体症状症)の診断機関
身体表現性障害の診断は、主に以下の医療機関で行われます。最初に身体的な病気の可能性を排除することが重要です。
- 一般の内科・専門科(消化器科、整形外科など):
- まず最初に、身体症状の原因となる具体的な病気がないかを徹底的に検査してもらうことが重要です。
- 「異常なし」と診断された場合に、心身の関連を疑うきっかけとなります。
- 精神科・心療内科:
- 身体症状の原因が医学的に説明できない場合や、精神的なストレスが強く関与していると考えられる場合に、専門的な診断と治療を提供します。
- 心身医療科という名称の診療科も、心と体の両面を診る専門家として、良い選択肢です。
- これらの科では、患者さんの身体症状だけでなく、精神状態、ストレス状況、生育歴などを詳しく聞き取り、総合的に診断を行います。
- 他の精神疾患(うつ病、不安障害など)との鑑別診断も重要です。
ポイント: 症状が続く場合は、まず一般的な医療機関で身体的な検査を受け、その後、異常が見つからなければ、心療内科や精神科を受診することがスムーズな流れです。複数の科を受診した経緯や、現在の症状を具体的に、詳しく伝えることが診断の助けになります。
身体表現性障害(身体症状症)の主な治療選択肢
身体表現性障害の治療は、症状のタイプ、重症度、患者さんの状態に合わせて、様々な方法が組み合わせて行われます。
- 精神療法・カウンセリング:
- 身体表現性障害の治療の中心となるアプローチです。
- 認知行動療法 (CBT): 症状への過度な囚われや、それによって生じるネガティブな思考パターンを特定し、より現実的で建設的な思考に変えていくことを目指します。症状への対処スキルを身につけ、不安を軽減します。
- 精神力動療法: 症状の背景にある無意識の心理的葛藤や過去のトラウマに焦点を当て、それらを理解し解消していくことを目指します。
- 支持的精神療法: 専門家が患者さんの話を傾聴し、共感することで、安心感を提供し、心理的な負担を軽減します。症状に対する不安や苦痛を共有し、心の支えとなります。
- マインドフルネス: 身体の感覚や感情に意識を向け、それらを評価せずに受け入れる練習を通じて、症状への過度な反応を和らげます。
- 薬物療法:
- 身体症状そのものを直接的に治す薬はありませんが、症状に伴う不安、抑うつ、不眠などの精神症状を和らげるために用いられます。
- 抗うつ薬(SSRIなど): 身体症状を和らげる効果も期待できることがあります。
- 抗不安薬: 不安が強い場合に一時的に処方されることがあります。依存性に注意が必要です。
- 痛み止め: 痛みが強い場合に症状を緩和するために使われることがあります。
- 注意点: 薬はあくまで補助的な役割であり、精神療法と組み合わせて行うことが重要です。
- 生活習慣の改善:
- 規則正しい睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動など、健康的な生活習慣を確立することは、自律神経のバランスを整え、心身の安定に繋がります。
- ストレス管理の方法を学び、実践することも重要です。
「治したい」というあなたの気持ちは、回復への大きな原動力となります。身体表現性障害は、決して一人で抱え込む病気ではありません。どうぞ安心して、当院にご相談ください。私たちは、あなたが希望を取り戻し、心身の調和を取り戻せるよう、全力でサポートさせていただきます。