- 2025年7月6日
- 2025年7月3日
4. 放置は危険!身体表現性障害が引き起こす悪循環と日常生活への影響
「どうせ病院に行っても異常なしって言われるし…」「もうどこに行けばいいか分からないから、このままでいいか」。身体表現性障害(現:身体症状症)に悩む方が、このような思いから症状を放置してしまうことは少なくありません。しかし、この疾患は、放置することで、日常生活、仕事、学業、人間関係、そして精神状態にまで、深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。この負のスパイラルに陥らないためにも、早期の対処が非常に重要です。
身体表現性障害(身体症状症)が引き起こす「負のスパイラル」
- 「ドクターショッピング」の繰り返しと医療への不信感:
- 身体症状の原因を求めて、内科、整形外科、脳神経外科など、**様々な医療機関を転々とする「ドクターショッピング」**に陥りがちです。
- しかし、検査で異常が見つからないため、「気のせい」「ストレス」と言われたり、適切な診断が得られなかったりすることで、医療従事者への不信感や不満が募ります。
- これでは、本当に必要な精神科や心療内科での治療に繋がりにくくなってしまいます。
- 社会活動の制限と孤立:
- 身体症状の痛みや疲労感、不安などから、外出や社会的な活動を避けるようになります。
- 友人との約束をキャンセルしたり、趣味の活動をやめたりすることで、社会的な交流の機会が減少し、孤立感を深めてしまいます。
- 「いつでも症状が出るかもしれない」という予期不安が、行動をさらに制限します。
- 仕事や学業への深刻な影響:
- 慢性的な身体症状や疲労感、集中力の低下により、業務効率が著しく低下します。
- 頻繁な体調不良による欠勤や遅刻が増え、仕事の継続が困難になったり、学業に支障が出たりすることがあります。
- 昇進やキャリア形成、学業の進捗にも深刻な影響を与えることがあります。
- 家族関係の悪化と理解不足:
- 家族は、目に見える原因がない身体症状に戸惑い、「本当に病気なの?」と理解を示せないことがあります。
- 「甘えている」「怠けている」といった誤解や不満が、家族間の信頼関係を損ない、口論や対立の原因となることがあります。
- 患者さん自身も「誰も理解してくれない」と感じ、孤立感を深めてしまいます。
- 自己肯定感の低下と精神状態の悪化:
- 「いつまでこの症状が続くのだろう」「自分はもう健康になれない」といった絶望感や無力感に苛まれます。
- 周囲に理解されない苦しみ、思うように活動できない自分への不甲斐なさから、自己肯定感が著しく低下します。
- 症状が続くストレスや孤立感から、うつ病や不安障害、パニック障害などの精神疾患を併発するリスクが高まります。
- 医療費の増加:
- 診断を求めて多くの医療機関を受診し、様々な検査や治療を受けることで、不必要に医療費がかさむことがあります。
身体表現性障害(身体症状症)は、早期に適切な対処をしないと、この悪循環に陥り、患者さんの生活の質(QOL)を著しく低下させてしまいます。しかし、これはあなたが弱いから起こることではありません。病気によって引き起こされるものです。
もし、あなたが身体表現性障害の症状に心当たりがあり、このままではいけないと感じているなら、どうぞ一人で抱え込まず、当院にご相談ください。この負のスパイラルを断ち切り、自分らしい自由な生活を取り戻すために、私たちは全力でサポートさせていただきます。