• 2025年7月5日
  • 2025年7月3日

記事3:うつ病が引き起こす心と身体のSOS~身体症状、不眠、思考力低下、そして社会生活への影響~

「頭痛や肩こりがひどくて何もできない」「夜中に何度も目が覚めて、体が休まらない」「考えがまとまらず、仕事が手につかない」。うつ病は、単なる気分の落ち込みにとどまらず、患者さんの身体、思考、そして社会生活に深刻な影響を及ぼし、多岐にわたるSOS(二次障害)を引き起こします。そのつらさは、周囲に理解されにくく、「怠けている」「やる気がない」と誤解されがちで、患者さんは孤立感を深めてしまうことも少なくありません。

うつ病が引き起こす主な心身のSOS(二次障害)としては、以下のような点が挙げられます。

  • 身体症状:
    • 慢性疲労・倦怠感: 体が鉛のように重く、常にだるさを感じる。十分な休息を取っても疲労感が取れない。
    • 睡眠障害: 不眠(寝つきが悪い、中途覚醒、早朝覚醒)が最も典型的ですが、反対に過眠(寝ても寝足りない、日中も眠い)の場合もあります。睡眠の質の低下は、精神状態をさらに悪化させます。
    • 頭痛・肩こり・めまい: 自律神経の乱れや、精神的な緊張からくる身体症状。
    • 消化器症状: 食欲不振、吐き気、胃痛、便秘、下痢などの消化器症状。
    • 動悸・息苦しさ: 不安感やストレスによる身体的な反応。
    • 性欲の減退: 性的な関心の低下。
  • 思考力・認知機能の低下:
    • 集中力・注意力の低下: 物事に集中できない、気が散りやすい、ミスが多い。
    • 思考の鈍化: 頭の回転が遅くなったと感じる、考えがまとまらない、決断できない。
    • 記憶力の低下: 物忘れが増える。
    • 悲観的な思考: ポジティブな情報よりもネガティブな情報にばかり目が行く、自分や周囲を悲観的に捉える。
  • 社会生活への影響:
    • 仕事・学業への影響: 遅刻、欠勤、パフォーマンス低下、休職、退職、留年、休学。
    • 人間関係の悪化: 人と会うのが億劫になる、会話が続かない、感情の起伏が激しくなる、孤立。
    • 日常生活動作の困難: 入浴、着替え、食事の準備など、簡単な日常動作も億劫に感じる。
    • 経済的問題: 休職や失業による収入減、借金。
  • 心の健康への深刻な影響:
    • 強い不安感・焦燥感: 常に漠然とした不安を抱える、イライラして落ち着かない。
    • 自責の念・自己肯定感の低下: 自分を責める気持ちが非常に強くなり、自分には価値がないと感じる。
    • 絶望感・希死念慮: 「この苦しみから逃れたい」「死にたい」という気持ちが頭をよぎる。これは最も危険なサインです。

心療内科クリニックである当院では、うつ病の患者さんの身体症状、思考の変化、社会生活への影響、そして心の状態にも細やかに目を向け、多角的なアプローチを重視しています。患者さんの訴えを丁寧に聞き、心と身体のつながりを理解した上で、適切な診断と治療方針をご提案します。一人で抱え込まず、私たちはあなたの悩みに真摯に寄り添い、共に解決策を見つけていきます。

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