- 2025年6月29日
- 2025年6月21日
9:起立性調節障害と心の健康:うつ病・不安障害との関連と向き合い方
起立性調節障害は、身体的な症状だけでなく、心にも大きな影響を与える疾患です。特に、うつ病や不安障害といった精神疾患を併発することが少なくありません。「朝起きられない」「学校に行けない」「友達と会えない」といった状況が長く続くと、患者さんは強い孤独感や将来への不安、焦燥感を抱きやすくなります。周囲からの理解が得られないことや、「怠けている」と誤解されることで、自己肯定感が低下し、精神的な負担がさらに増大する悪循環に陥ってしまうこともあります。
このような精神的な苦痛は、身体症状を悪化させる要因にもなりかねません。例えば、不安やストレスが強まると、自律神経の乱れがさらに加速し、めまいや動悸、頭痛といった身体症状がより顕著になることがあります。また、気分が落ち込むことで活動量が減り、生活リズムが乱れることも、起立性調節障害の症状を悪化させる要因となります。
心療内科医である私たちは、起立性調節障害の患者さんを診る際に、身体症状だけでなく、心の状態にも細やかに目を向け、両面からアプローチすることを重視しています。患者さんの感情の起伏、思考パターン、睡眠の質、対人関係などを総合的に評価し、うつ病や不安障害の兆候がないか慎重に診断します。
当院では、心身一如の考え方に基づき、起立性調節障害の治療と並行して、心のケアも重視しています。当院独自の「サトワタッチケア」による自律神経の調整は、身体の不調を改善するだけでなく、心の安定にも寄与します。身体がリラックスし、深い癒しと休息を得られることで、精神的な負担が軽減され、前向きな気持ちを取り戻しやすくなります。また、必要に応じてカウンセリングや薬物療法(抗うつ薬や抗不安薬など)も提案し、患者さんが安心して心身ともに回復できるよう、多角的にサポートいたします。一人で抱え込まず、心のつらさも遠慮なく私たちにご相談ください。