- 2025年6月26日
- 2025年6月21日
6:起立性調節障害と間違えられやすい病気~適切な診断の重要性~
「起立性調節障害かなと思って病院に行ったけれど、違う病気だと言われた」「なかなか症状が改善しないし、本当に診断が合っているのか不安だ」…。このようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。起立性調節障害の症状は、他の様々な病気と似ているため、自己判断や誤った診断に繋がってしまう可能性があります。適切な治療を受けるためには、何よりも正確な診断が不可欠です。
起立性調節障害と間違えられやすい病気は多岐にわたります。例えば、貧血、甲状腺機能異常(甲状腺機能亢進症や低下症)、心臓の病気(不整脈、心不全など)、脳の病気(てんかんなど)、自己免疫疾患、低血糖症、さらにはうつ病や不安障害、発達障害といった精神的な疾患も、症状が重複することが少なくありません。特に、倦怠感や頭痛、めまい、集中力の低下、不登校といった症状は、多くの病気に共通して見られるため、鑑別診断が非常に重要になります。
当院では、心療内科の専門医として、患者さんの症状や生活状況を多角的に捉え、他の疾患の可能性も考慮しながら鑑別診断を行います。まず、詳細な問診によって、症状の経過、既往歴、家族歴などを丁寧に伺います。次に、新起立試験などの自律神経機能検査に加え、必要に応じて血液検査、心電図検査、脳波検査などの精密検査を実施し、身体的な異常がないかを確認します。
もし、精神的な症状が強く出ている場合には、心理検査やカウンセリングも行い、心と身体の両面からアプローチします。これらの検査結果を総合的に判断することで、患者さんが本当に起立性調節障害なのか、あるいは別の病気が隠れているのかを正確に見極めます。
誤った診断のまま治療を進めても、症状はなかなか改善しません。時には、症状が悪化してしまう可能性すらあります。当院では、一人ひとりの患者さんに合わせた適切な診断と、それに基づいたオーダーメイドの治療計画をご提案することで、患者さんが本来の元気を取り戻せるよう全力でサポートいたします。「もしかして」と感じたら、まずは専門医にご相談ください。