- 2025年6月10日
5.心療内科の創始者・池見太郎医師が語る「実存的変容」とサトワ医療
サトワ医療の深い思想的背景を理解する上で、日本の心身医学の礎を築い
池見酉次郎医師の存在は欠かせません。池見医師が提唱した「実存的変容」という概念は、サトワ医療が目指す治療の最終目標を明確に示しています。池見医師は、病気とは単なる身体や心の症状に留まらず、その人の「生き方そのもの」が問われている状態であると捉えました。つまり、病気を通して患者さんが自己と深く向き合い、これまでの価値観や人生観を再構築し、自身の存在(実存)そのものが本質的に変化していくプロセスが「実存的変容」なのです。サトワ医療は、この池見医師の思想を深く継承しています。私たちは、患者さんの訴える症状にのみ焦点を当てるのではなく、なぜその症状が現れたのか、その背景にある患者さんの生き方、感情のパターン、人間関係、そして人生の意義といった、より根源的な問いにまで踏み込みます。サトワタッチケアによる身体へのアプローチは、患者さんの心に深く作用し、抑圧された感情の解放や、長年築き上げてきた心の壁を溶かすきっかけとなります。これにより、患者さんは自分自身を客観的に見つめ直し、自己受容を深め、最終的には「病気がある自分」という枠を超えて、「本来の自分」を取り戻すための、本質的な変化を遂げることができます。書籍では、池見医師の思想を具体例と共に紹介し、サトワ医療が単なる症状の治療を超えた、魂レベルでの癒しと成長を促す治療であることを詳述しています。病気は苦痛である一方で、患者さんにとって人生を深く見つめ直し、より豊かな「実存」を築くための、重要な機会であると捉えるサトワ医療の視点に触れることで、読者の皆様は新たな希望を見出すことができるでしょう。