- 2025年6月14日
- 2025年6月6日
9. 止まらないまばたき、咳払い…子どもの「チック症」と心のゆらぎ
お子さんが、無意識に何度もまばたきをしたり、首を振ったり、咳払いをしたりするのを見たことはありませんか?これは「チック症」と呼ばれるもので、小児期に比較的よく見られる神経学的発達障害ですが、ストレスや心理的な要因が症状を悪化させることが多く、心身症として捉えられることもあります。
チック症は、突然、無意識に、反復して、素早く現れる運動や音声のことで、大きく運動性チックと音声チックに分けられます。
- 運動性チックの例:まばたき、首振り、肩すくめ、顔をしかめる、口をゆがめるなど。
- 音声チックの例:咳払い、鼻を鳴らす、うなり声、奇声、意味のない言葉の繰り返しなど。 これらの症状は、ストレスや疲労、緊張、興奮などで悪化しやすい傾向があります。症状は時間とともに変化したり、一時的に消えたりすることもあります。
診断は、症状の出現状況、頻度、持続期間などを詳しく問診し、他の病気(てんかんなど)を除外して行われます。
チック症の治療は、多くの場合、特別な薬物療法は必要なく、経過観察となることが多いです。最も重要なのは、周囲がチックを指摘したり、注意したりしないことです。指摘されることでお子さんはさらにストレスを感じ、チックが悪化する可能性があります。お子さんが安心して過ごせる環境を整え、チックがあっても気にしない、という姿勢で接してあげましょう。
もしチックが日常生活に大きな支障をきたす場合は、心理的なサポートや行動療法が検討されることがあります。お子さんが抱えるストレスの原因(学校でのプレッシャー、人間関係、家庭環境など)を探り、それらを軽減するアプローチが有効です。心身のストレスを軽減し、自律神経を整え、深い癒しと休息を与えることは、チック症の症状緩和だけでなく、お子さんの自然治癒力を高め、心身の安定を促すことにも繋がります。