- 2025年6月13日
- 2025年6月6日
8. 肌の痒みが止まらない…アトピー性皮膚炎とストレスの悪循環
お子さんの肌の痒みがひどく、皮膚科で治療を受けているのに、なかなか改善しない、あるいは悪化してしまうことはありませんか?アトピー性皮膚炎はアレルギー性の疾患ですが、精神的なストレスが症状の悪化に大きく関わっており、心身症として捉えられることもあります。
アトピー性皮膚炎の主な症状は、皮膚の強い痒みと、湿疹です。痒みがひどいために、夜中に何度も目を覚ましてしまったり、日中も集中できなかったりすることがあります。皮膚を掻きむしることで、さらに湿疹が悪化し、肌が乾燥したり、象の皮膚のように厚くなったりすることもあります。
診断は、特徴的な皮膚症状と、アレルギーの既往歴などを総合的に判断して行われます。血液検査でアレルギーの原因物質(アレルゲン)を特定することもあります。
治療は、ステロイド外用薬や保湿剤によるスキンケアが基本です。しかし、ストレスが症状を悪化させている場合、薬だけではなかなか改善しないことがあります。ストレスが痒みを引き起こし、痒みがさらにストレスになるという悪循環に陥りやすいのが特徴です。
そのため、アトピー性皮膚炎の治療では、スキンケアと並行して、ストレスケアも非常に重要になります。お子さんが何にストレスを感じているのか、学校や家庭での状況を把握し、ストレスを軽減するための工夫が必要です。十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動は、心身の健康を保ち、皮膚の免疫力を高める上で役立ちます。また、お風呂の入り方や衣類の素材など、日常生活での肌への刺激を減らすことも大切です。
保護者の方は、お子さんのつらい痒みに寄り添い、スキンケアを根気強くサポートしてあげましょう。心身のストレスを軽減し、自律神経を整え、深い癒しと休息を与えることは、アトピー性皮膚炎の症状緩和だけでなく、お子さんの自然治癒力を高め、心身の健康を取り戻す大切なアプローチとなります。