- 2025年6月7日
- 2025年6月6日
2. 急な息苦しさ、手足のしびれ…子どもの「過換気症候群」を知る
突然、お子さんが「息が苦しい!」「胸がドキドキする!」「手がしびれる!」と訴え、パニックになっているのを見たことはありませんか?これは、**過換気症候群(過呼吸)**かもしれません。特に思春期の子どもによく見られる心身症の一つです。
過換気症候群は、強いストレスや不安、緊張などが引き金となり、無意識のうちに呼吸が速く、深くなることで起こります。これにより、体内の二酸化炭素濃度が急激に低下し、血液がアルカリ性に傾くことで、様々な身体症状が現れます。主な症状は、息苦しさ(息を吸い込もうとしても吸えない感覚)、胸の痛みや圧迫感、動悸、手足や唇のしびれ、めまい、頭痛、発汗などです。ひどい場合は、意識が遠のいたり、全身のけいれんのように見えることもありますが、一時的なもので、命に関わることはほとんどありません。
診断は、身体的な疾患がないことを確認した上で、症状の出現状況や心理的背景を詳しく問診して行われます。
発作が起きた際は、まずお子さんを落ち着かせることが最優先です。「大丈夫だよ」「ゆっくり息をしようね」と優しく声をかけ、安心させましょう。ゆっくりと腹式呼吸を促したり、ビニール袋や紙袋を口に当てて呼吸させる(現在は推奨されないことも多いので、専門家の指示に従う)などの方法が知られています。一番大切なのは、「心配ないこと」を伝えることです。
根本的な治療には、ストレスの原因を見つけ、それに対処することが必要です。学校生活、友人関係、家庭環境など、お子さんが抱えるストレスに目を向け、サポートしていくことが重要です。心身のバランスを整え、自律神経をケアする時間は、発作への不安を軽減し、心の安定に繋がり、自然治癒力を高める助けとなります。