- 2025年6月6日
1. 朝起きられない、だるい…「起立性調節障害(OD)」と子どものサイン
お子さんが朝なかなか起きられず、学校に行けない、立ちくらみやめまいを訴えることはありませんか?それは単なる「だらしない」のではなく、「起立性調節障害(OD)」という心身症かもしれません。ODは、自律神経のバランスが崩れることで、特に立ち上がった時に血圧がうまく調節できず、脳への血流が一時的に低下するために起こります。思春期の子どもに多く見られ、小学校高学年から中学生で顕著になる傾向があります。
主な症状は、朝起きられない、立ちくらみやめまい、頭痛、倦怠感、動悸、吐き気などです。午前中に症状が強く、午後になると比較的元気になることが多いのも特徴です。学校を休みがちになり、学業や社会生活に影響が出ることも少なくありません。
診断には、症状の詳細な問診に加え、起立試験(寝た状態から立ち上がった時の血圧や心拍数の変化を測定)や心電図検査などが行われます。身体的な病気が原因でないことを確認することが重要です。
治療は、薬物療法で症状を和らげるだけでなく、生活習慣の改善が非常に大切です。規則正しい睡眠、十分な水分摂取、適度な運動(横になることが多い運動から始める)、塩分摂取の工夫などが挙げられます。保護者の方は、お子さんの「つらい」という気持ちを理解し、焦らせずに根気強くサポートすることが何よりも重要です。学校との連携も欠かせません。
ODは、身体的な苦痛とともに、心理的なストレスも大きい病気です。お子さんが安心して過ごせる環境を整えることが、症状の改善につながります。心身のストレスを軽減し、自律神経を整え、深い癒しと休息を与えることは、お子さんの自然治癒力を高め、病気と向き合う力を育む上で大切なアプローチとなります。