• 2025年6月8日
  • 2025年6月6日

3:過換気症候群とパニック障害、何が違う?見分け方と治療のポイント


過換気症候群とパニック障害、何が違う?見分け方と治療のポイント【似て非なる症状】
記事導入: 「息苦しい」「動悸がする」「死ぬかと思った」という発作症状は、過換気症候群とパニック障害に共通して見られるため、しばしば混同されがちです。しかし、この二つは根本的な病態や治療のポイントが異なります。適切に診断し、それぞれの特性に合わせた治療を行うことが、症状改善への近道となります。この記事では、過換気症候群とパニック障害、それぞれの特徴を比較しながら、見分け方と治療の重要なポイントを解説します。
過換気症候群とパニック障害の症状と悩み:
• 過換気症候群: 主に精神的なストレスや不安が引き金となり、過剰な呼吸によって二酸化炭素濃度が低下し、息苦しさ、動悸、手足のしびれなどの身体症状が起こります。発作が治まれば症状は消え、予期不安は少ないこともあります。
• パニック障害: 突然予期せず、強い恐怖や不安とともに、動悸、息苦しさ、めまい、吐き気などの身体症状が短時間(通常数分~30分以内)でピークに達する「パニック発作」を繰り返します。発作がない間も「また発作が起きるのでは」という強い予期不安に苦しめられ、広場恐怖(発作が起きた際に逃げられない場所や状況を避けるようになること)を伴うことが多いのが特徴です。 共通して「このまま死んでしまう」という強い恐怖を伴うため、患者さんは心臓病や脳の病気を疑い、救急搬送されることも少なくありません。しかし、精密検査では異常が見られないため、「気のせい」と片付けられ、さらに苦しむことになります。
診断方法: 診断は、専門医(心療内科、精神科)による詳細な問診が不可欠です。
• 発作時の状況: どのような時に発作が起きたか、どんな症状が、どれくらいの期間、どれくらいの頻度で起きているか。
• 予期不安の有無: 発作がない間も、次回の発作を恐れて不安を感じるか。
• 回避行動の有無: 発作が起こることを恐れて、特定の場所や状況を避けるようになるか。 これらの情報から、どちらの疾患であるかを鑑別します。身体的な疾患を除外するための検査(心電図、血液検査など)も重要です。過換気症候群はパニック発作の一部として生じることもあれば、単独で生じることもあります。パニック障害の診断基準は「繰り返されるパニック発作」と「その後の予期不安や行動変容」に焦点を当てています。
治療法と予後:
過換気症候群の治療ポイント:
• 発作時の呼吸コントロール: ゆっくり息を吐く腹式呼吸の練習。
• メカニズムの理解: 身体の仕組みを理解し、「命に危険はない」と認識することで、不安を軽減します。
• ストレスマネジメント: ストレスの原因を特定し、その対処法を学ぶ。
パニック障害の治療ポイント:
• 薬物療法: SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などの抗うつ薬が第一選択薬となり、不安を軽減するために抗不安薬が補助的に用いられます。
• 認知行動療法: パニック発作に対する誤った認識(「死んでしまう」など)を修正し、不安を乗り越えるための行動変容を促します。特に曝露療法(不安を感じる状況に少しずつ身を置く練習)が有効です。
• 心理教育: パニック障害のメカニズムを理解し、不安を軽減するための知識を身につけます。 両疾患ともに、適切な治療を受ければ予後は良好です。過換気症候群は、対処法を学ぶことで発作をコントロールできるようになります。パニック障害も、薬物療法と認知行動療法を組み合わせることで、多くの患者さんが症状を大幅に改善させ、日常生活を取り戻すことが可能です。
日常でできること: 「過換気症候群 パニック障害 違い」を理解することは、まず第一歩です。「パニック発作 対処法」「過換気 対処法」をマスターし、いざという時に実践できるようにしましょう。「ストレス軽減方法」「自律神経を整える」生活習慣(規則正しい睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動)は、両疾患の予防・改善に繋がります。「パニック障害 薬」「パニック障害 認知行動療法」について医師と相談し、積極的に治療に取り組むことが重要です。「心療内科 専門医」の受診をためらわないでください。

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