• 2025年6月7日
  • 2025年6月6日

2:過換気症候群の発作時、何をすればいい?正しい対処法とNG行動

過換気症候群の発作時、何をすればいい?正しい対処法とNG行動【落ち着くためのステップ】

突然の息苦しさや手足のしびれ…過換気症候群の発作は、非常に苦しく、大きな恐怖を伴います。「次にいつ起きるかわからない」という不安から、日常生活が制限されてしまう方も少なくありません。しかし、発作が起きた時に「何をすべきか」「何をしてはいけないか」を知っていれば、その苦痛を和らげ、落ち着いて対処することができます。この記事では、過換気症候群の発作が起きた際の、正しい対処法と、絶対にしてはいけないNG行動を具体的に解説します。

過換気症候群の症状と悩み: 過換気症候群の発作は、突然の胸の圧迫感、激しい動悸、息が吸えないような感覚から始まり、手足のしびれ、めまい、冷や汗、そして「死んでしまうのではないか」という強い恐怖感へとエスカレートします。これらの症状は心臓発作などと酷似しているため、多くの人がパニックに陥り、さらに呼吸が速くなるという悪循環に陥ります。発作経験者は、「またあの苦しみを味わうのか」という予期不安に悩まされ、外出や人混みを避けるようになるなど、生活の質が著しく低下することがあります。

診断方法: 過換気症候群の診断は、発作時の症状や経過を詳しく聞く問診が最も重要です。他の重篤な疾患を除外するために、心電図、血液検査、胸部X線検査などが行われることもありますが、これらの検査で異常が見られない場合に過換気症候群と診断されます。発作のメカニズムを理解することが、適切な対処に繋がります。

発作時の正しい対処法とNG行動:

【正しい対処法】

  1. ゆっくり息を吐くことに集中する(腹式呼吸): 最も重要です。発作時は息を吸いすぎている状態なので、意識的に長くゆっくり息を吐き出すことに集中しましょう。鼻からゆっくり吸い込み、口をすぼめて(口笛を吹くように)時間をかけて細く長く吐き出す「ろうそくの火を吹き消すように」というイメージが有効です。腹式呼吸を意識し、お腹が膨らむように吸い、へこむように吐きましょう。
  2. 安心できる場所へ移動する: 可能であれば、人混みや閉鎖的な場所から、少しでも落ち着ける場所に移動しましょう。
  3. 座る、あるいは横になる: めまいやふらつきがある場合は、転倒の危険があるので、すぐに座るか横になりましょう。
  4. 安心できる声かけ: 周囲の人は、「大丈夫、過換気症候群だから」「ゆっくり息を吐いてごらん」「心配ないからね」と落ち着いた声で優しく声をかけ、体をさすってあげるのも効果的です。
  5. 深呼吸を促すツールを使う(任意): 落ち着かせるための音楽、アロマ、あるいは携帯用の呼吸ガイドアプリなど、自分に合ったものがあれば活用しましょう。

【NG行動】

  1. 過度な深呼吸や急速な呼吸: 「もっと息を吸わなければ」と焦って深呼吸を繰り返すと、さらに二酸化炭素が排出され、症状が悪化します。
  2. ペーパーバッグ法(紙袋呼吸): かつては推奨されていましたが、酸素欠乏のリスクがあるため、現在は推奨されていません。絶対に行わないでください。
  3. 焦って病院へ駆け込む(緊急性が低い場合): もちろん、心臓発作などとの鑑別が難しい場合は受診が必要ですが、過換気症候群と診断されている場合は、まずは落ち着いて対処法を試しましょう。
  4. 「気のせいだ」と否定する: 本人は非常に苦しんでいます。精神的なものだと片付けず、症状の辛さを理解し、寄り添う姿勢が大切です。

予後と日常でできること: 「過換気症候群 対処法」「過換気症候群 落ち着き方」「過換気症候群 呼吸法」を身につけることは、予後を良好にするために非常に重要です。日常的に「ストレス管理」を意識し、リラックスできる時間を持ちましょう。「過換気症候群 予防」として、規則正しい生活、適度な運動、十分な睡眠を心がけることも大切です。「パニック発作 乗り越え方」を学ぶことで、不安を軽減し、より自信を持って生活できるようになります。繰り返し発作が起きる場合は、「心療内科 相談」や「精神科 受診」を検討し、専門家のサポートを得ましょう。

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