- 2025年6月13日
- 2025年6月5日
9:高血圧と心の健康:ストレス、不眠、うつ病との関連と向き合い方
「血圧が高いって言われてから、なんだかずっと不安で…」「夜なかなか眠れないし、イライラすることが増えた」。高血圧と診断された方の中には、身体の症状だけでなく、心の不調を抱える方も少なくありません。高血圧は、ストレスや不眠、さらにはうつ病といった心の健康と密接に関連していることが知られています。
まず、ストレスは高血圧の大きな危険因子の一つです。精神的なストレスを感じると、私たちの身体は防御反応として、血圧を上げるホルモンを分泌したり、血管を収縮させたりします。慢性的なストレスは、この反応が持続することに繋がり、結果的に高血圧を悪化させる原因となります。高血圧と診断されたこと自体がストレスとなり、さらに血圧を上げてしまうという悪循環に陥ることもあります。
次に、不眠です。睡眠不足は、自律神経のバランスを乱し、交感神経が優位な状態を保つ原因となります。これにより、血圧が常に高い状態に維持されやすくなります。高血圧の患者さんの中には、夜間の血圧が下がりにくい「非降下型」と呼ばれるタイプの方もおり、これは心血管疾患のリスクを高めることが知られています。不眠は、精神的なストレスにも繋がり、心の健康を損ねる要因ともなります。
そして、高血圧とうつ病の関連性も指摘されています。高血圧の患者さんは、うつ病を併発するリスクが高いと言われています。慢性的な身体の不調や、将来への不安、薬を飲み続けることへの抵抗感などが、気分の落ち込みや意欲の低下を引き起こすことがあります。また、うつ病自体が自律神経のバランスを乱し、高血圧を悪化させる可能性もあります。
心療内科医である当院では、高血圧の患者さんの身体症状だけでなく、心の状態にも細やかに目を向け、両面からアプローチすることを重視しています。ストレスの状況、睡眠の質、気分の状態などを詳細に問診し、必要に応じて心理検査も行い、心のケアも提供します。
治療においては、高血圧の薬物療法と並行して、当院独自の「サトワタッチケア」が、心身のバランスを整え、心の安定にも大きく貢献します。サトワタッチケアは、自律神経を調整し、深いリラックス効果をもたらすことで、ストレス軽減や不眠改善に繋がります。これにより、血圧の安定だけでなく、心の健康も回復し、より充実した生活を送れるようサポートいたします。血圧の治療を続けていても、心のつらさが続く方は、決して一人で抱え込まず、専門医にご相談ください。