- 2025年6月11日
- 2025年6月5日
7:高血圧と上手く付き合うために~家族や周囲の理解とサポートの重要性~
「夫の血圧が高いと言われたけど、本人はあまり気にしない」「親が高血圧なのに、なかなか減塩してくれない…」。高血圧は、患者さん本人だけでなく、そのご家族や周囲の人々にとっても、健康管理上の課題となることがあります。特に自覚症状がないため、患者さん自身が病気に対する危機感を持ちにくく、治療や生活習慣の改善になかなか積極的になれないケースも少なくありません。しかし、ご家族や周囲の方々の理解とサポートは、高血圧の管理において非常に重要な役割を果たします。
まず、最も大切なことは、高血圧が自覚症状のない「サイレントキラー」であり、放置すると命に関わる深刻な病気を招くリスクがあることを理解することです。単なる「血圧が高い」という軽い問題ではないことを認識し、患者さんの健康を守るために、積極的に協力する姿勢が重要です。
具体的なサポートとしては、以下のような点が挙げられます。
- 食生活の改善への協力: 減塩を意識した食事作りは、家族全員で取り組むのが理想的です。だしを活用したり、香辛料で風味をつけたりするなど、薄味でも美味しく食べられる工夫を一緒に考えましょう。外食時も、塩分控えめのメニューを選ぶよう促すなど、さりげない配慮が大切です。
- 運動習慣のサポート: 一緒にウォーキングに出かけたり、軽い運動を提案したりするなど、患者さんが運動を継続しやすい環境を整えましょう。
- ストレス管理への配慮: ストレスは血圧を上げる要因となります。患者さんがリラックスできる時間を作ったり、悩みを打ち明けやすい雰囲気を作ったりするなど、精神的なサポートを心がけましょう。
- 服薬のサポートと声かけ: 薬の飲み忘れがないか、さりげなく声かけをするのも良いでしょう。治療の重要性を理解し、根気強く見守ることが大切です。
- 定期的な健康チェックの促し: 血圧測定や定期的な受診を促し、健康管理の意識を共有しましょう。
- 否定的な言葉を避ける: 「また血圧が高い」「なぜ言う通りにしないの」といった否定的な言葉は、患者さんの治療への意欲を削いでしまいます。前向きな言葉でサポートしましょう。
高血圧は、日々の生活習慣が大きく影響する病気です。ご家族が一体となって取り組むことで、患者さんの治療へのモチベーションも高まり、より良い結果に繋がります。当院では、患者さんご本人だけでなく、ご家族の皆様からのご相談も歓迎しています。一緒に、健康な未来を築いていきましょう。