• 2025年6月5日

1:サイレントキラーにご用心!「高血圧」はなぜ怖い?自覚症状の落とし穴

「血圧が高いって言われたけど、特に症状がないから大丈夫かな?」「健康診断でひっかかったけど、ピンとこない…」。高血圧は、しばしば「サイレントキラー(静かなる殺人者)」と呼ばれます。その理由は、ほとんどの場合、自覚症状がないまま進行するからです。痛みやだるさといった分かりやすいサインがないため、放置してしまいがちですが、気づかないうちに血管を傷つけ、脳卒中や心筋梗塞といった重篤な病気の原因となる、非常に怖い病気なのです。

私たちが健康診断などで測定する「血圧」とは、心臓から送り出された血液が、血管の壁にかかる圧力のことです。高血圧とは、この圧力が慢性的に高い状態を指します。基準としては、一般的に収縮期血圧(最高血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最低血圧)が90mmHg以上の場合に高血圧と診断されます(家庭での測定値は異なります)。なぜ血圧が高い状態が問題なのかというと、常に高い圧力が血管にかかることで、血管の壁が硬くなり、しなやかさが失われてしまうからです。これを「動脈硬化」と呼びます。動脈硬化が進むと、血管が詰まりやすくなったり、破れやすくなったりして、様々な病気を引き起こしますのです。

高血圧の初期には、ほとんど症状がないことが特徴です。しかし、かなり血圧が高くなると、頭痛(特に後頭部)、めまい、肩こり、動悸、息切れ、耳鳴り、手足のしびれといった症状が現れることもあります。ただし、これらの症状は他の病気でも見られるため、「高血圧のサインだ」と気づきにくいのが落とし穴です。

重要なのは、症状がないからといって安心しないことです。ご自身やご家族に高血圧の指摘があった場合は、決して放置せず、定期的に血圧を測り、専門医の診察を受けることが何よりも大切です。当院では、患者さんの血圧の状態を丁寧に伺い、適切な診断と治療方針をご提案します。まずは、ご自身の健康状態に意識を向けることから始めましょう。

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