• 2025年6月5日
  • 2025年6月2日

4,むずむず脚症候群の正しい診断方法:専門医が行う検査とプロセス

夜間の脚の不快感に悩まされ、「もしかしてむずむず脚症候群?」と感じても、実際に医療機関を受診するとなると、「どんな検査をするんだろう」「どこに行けばいいの?」と不安に思うかもしれません。**むずむず脚症候群(RLS)**の診断は、患者さんの訴えが非常に重要になります。ここでは、専門医がどのように診断を進めるのか、そのプロセスについて解説します。


診断の第一歩は「丁寧な問診」

むずむず脚症候群の診断において、最も重要なのは、医師による患者さんへの丁寧な問診です。特定の検査だけで診断が確定するわけではなく、症状の出方や特徴を詳しくお聞きすることが不可欠です。

国際的な診断基準(国際レストレスレッグス症候群研究グループ:IRLSSGの診断基準)に基づき、以下の4つの基本的な症状があるかどうかが確認されます。

  1. 脚を動かしたくなる不快な感覚があるか?
  2. 安静時に症状が出現または悪化するか?
  3. 運動で症状が一時的に改善するか?
  4. 症状が夕方から夜にかけて悪化するか?

これらの症状の他に、症状が睡眠障害の原因となっているか、他の病気や薬の影響ではないか、といった点も確認していきます。患者さん自身の言葉で、症状の様子や困っていることを具体的に伝えることが、正確な診断への近道となります。


他の病気との鑑別(見分け方)も重要

むずむず脚症候群と似た症状を示す病気もあります。例えば、夜間のこむら返り(足がつる)、末梢神経障害、アカシジア(抗精神病薬の副作用で生じる不穏な感覚)、脚のむくみ、関節の痛みなどです。これらの疾患とむずむず脚症候群とを正確に見分ける「鑑別診断」も、診断プロセスの大切な一部です。医師は問診を通じて、これらの可能性も考慮しながら診断を進めます。


必要に応じて行われる検査

問診でむずむず脚症候群の可能性が高いと判断された場合、より正確な診断や原因の特定のために、いくつかの検査を行うことがあります。

  • 血液検査: 特に鉄欠乏性貧血の有無や、体内の貯蔵鉄の量を示す「フェリチン」の値を確認します。鉄分不足がむずむず脚症候群の原因となっている場合があるため、重要な検査です。腎機能の状態なども確認することがあります。
  • 睡眠ポリグラフ検査: これは睡眠中の脳波、眼球運動、筋電図、呼吸、心電図などを同時に記録する検査です。むずむず脚症候群に特徴的な「周期性四肢運動」の有無や、睡眠の質の低下の度合いなどを客観的に評価するために行われることがあります。ただし、この検査は必須ではありません。

当クリニックでは、患者さんの症状と悩みに真摯に耳を傾け、適切な問診を通じて、むずむず脚症候群の正確な診断を行います。もし「もしかしたら」と思ったら、一人で抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。

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